2020.7.19 気付いた人の仕事(リーダーシップへの道26)
以前は心理学講座などを書く場合、喫茶店で作業するのが当たり前になってしまいました。
当然この講座も喫茶店で作っていたのですが、その時にちょっとした出来事がありました。
自動ドアで喫煙室と禁煙室がしきられているのですが、とあるお年寄りが喫煙室に行こうとしているのに、自動ドアが開かない。
何度も何度もセンサーにタッチしても、開かないんですよね。
私はどうも気になっちゃって。
最初は見ていたんです。
そしたら妙齢なご夫人が自動ドアを難なく開けて喫煙室に入っていくわけです。
お年寄りはそれを見て、自分も入ろうとするんですが、やっぱりドアが開かない。
見かねた私は、そのお年寄りの替わりに自動ドアを開けました。
当然感謝されるわけですが、同時に考えるわけです。
なぜこのお年寄りは自動ドアが開かなかったか。
お年寄りはセンサーを指で押さえていたわけです。
手のひらで押さえれば、センサーはちゃんと反応するわけですよ。
お年寄りに聞かれたので、ちゃんとその事をお話ししたら、たいそう喜んでくれました。
私的に面白かったのは、そのとき喫煙室にも禁煙室にも、20人近く人がいたのに、お年寄りに気がついたのは私だけでした。
まあそれが普通なんですけどね。
私は偶然、お年寄りに気がついた。
そして、原因もすぐにわかった。
リーダーシップの中に「気付いた人が行動する」というのがあります。
例えば、リーダーに対して「こうすればいい」と気がついたら、それは気がついた人の仕事なんですよね。
誰かがやればいい、誰かにやってもらう、のではなくて、気付いた自分がまず行動する。
それこそが、リーダーシップなんですよ。
これが実践できる人は、面白い事に「お願いする」事も簡単にできるわけです。
なぜなら、「行動する」お手本を見せていますからね。
昔、講座の打ち上げで坂本龍馬の話になったことがあります。
坂本龍馬は、自分の夢や想いを熱く語ります。
それを聞いた人は「うわ〜それ、わしがやるのか〜」と、思ったそうです。
こう思ってしまうのは、この人が坂本龍馬の行動力をよく知っているから、できると心のどこかで感じてしまうわけです。
リーダーシップに巻き込まれると、こんなことも起こるわけです。
リーダーシップを正しく使うと、周りはどんどん引っ張られていきますから、まあ安定する事はない、ということですね。
ヴィジョンに到達するまで、ひたすら走り続ける。
それがリーダーシップです。
リーダーシップのプロセスはジェットコースターみたいなものですから、間違いなく楽しいですが、安定を好む人にとっては、恐いでしょうねぇ。
そんな人は、リーダーシップに抵抗します。
ここで勘違いすると、安定を失いたくないから抵抗しているはずなのに、楽しさを拒絶しているように感じてしまい、楽しさに抵抗してしまう、という勘違いをしてしまうわけです。
で、こんな人は、実は少なくありません。
勘違いって、意外と大きな問題なんですよ。