無意識の目的
人のために尽くす
この行為自体は素晴らしいものですよね。
誰かの役に立ちたい
誰かを助けたい
誰かをサポートしたい
こういう気持ちがあることって、大切なことだと思います。
ですが、この行為が必ずしも相手を幸せにしたり、救ったりしないこともあります。
もちろん、自分自身もね。
人が行動を起こすとき、そこには必ず「目的」があります。
なぜなら、人の体というのは、脳が命令しない限り動かないからです。
脳が体に「こう動きなさい」と命令して、体は初めて行動に移します。
でも、皆さんはそう考えながら体を動かしているわけではありませんよね。
なぜなら、その命令のほとんどが、無意識で行われているからです。
つまり、自分がとった行動は、意識的にせよ無意識にせよ、命令があったからこそ動くわけです。
それは言葉も同じ。
で、無意識というのは、明確な目的を持って、命令を出してくれます。
それは、自分にとって良いか悪いかではなくて、自分にとって都合がいいかどうか、に基準が置かれていたりします。
よくあるのが、頭ではこうだ、とわかっていても、体は全く違う行動をしてしまう。
やってはいけないといわれたことほど、やってみたくなるようなものと同じですよね。
言葉にしても、本当は優しく声をかけたほうがいいとわかっていても、ついきつい言葉を相手に浴びせてしまう、ということがあるわけです。
この場合、無意識は、頭で考えていることではなく、無意識がもともと持っている「目的」に沿って行動しているからです。
では、この無意識の「目的」とは何か。
例えば、すべてにおいて自分の身を守ることが、自分の目的であれば、どんな些細なことであっても、自分の身を守ることに無意識は全力を出します。
どうせ自分は嫌われている、と無意識が認識していたら、「自分は嫌われている」ことを証明するように命令を出してしまうわけです。
そして、それは自分がとった言動や行動から、無意識の「目的」を推定することができるわけです。
その「目的」を理解し、書き換えることができれば、自分の行動は修正され、自分にとってもみんなにとっても、より良い自分になるきっかけを得られるかもしれません。
人のために尽くす
その目的を把握しないと、ただの自己犠牲になってしまったり、尽くせば尽くすほど相手も自分も苦しんでしまったりしますからね。
自分を知る、というのは、こういうことを言うのかもしれませんね。