2020.6.16 心理学講座 リーダーとリーダーシップはイコールではない(リーダーシップへの道10)
このコラムを書いていた当時、サッカーの川崎フロンターレに所属する大久保選手を例にあげてみます。
大久保選手は、以前ヴィッセル神戸というチームに所属していました。
このチームで大久保選手は、リーダーとして活躍する事を期待されていたんです。
彼はヴィッセル神戸でリーダーとなるべく奮闘しました。
しかし、結果はうまくいきませんでした。
ところが、フロンターレに移籍してからは、得点王になるなど、目覚ましい活躍をしています。
神戸時代はけがが多かったなど、いろいろな要因があげられますが、私の目線から見て、大久保選手はリーダーとして活躍するより、リーダーシップをとってみんなを引っ張る方に才能があったと感じます。
リーダー=リーダーシップであれば、理想的ですし、問題はないわけですが、リーダー=リーダーシップと必ずしもなるわけではありません。
ストライカーが必ずしもチームリーダーである必要はないわけですよね。
もちろんキャプテンとしてチームを統率するのもリーダーシップですが、同じリーダーシップでも、チームをまとめるリーダーシップと、点を取る、勝つという行動を実践するリーダーシップは同じではないわけです。
そして、人それぞれ、自分が持つリーダーシップには得手不得手があるわけです。
裏方でリーダーシップをとるのがうまい人もいれば、表舞台に立った方がリーダーシップを発揮できる人もいるわけですね。
リーダーシップは決して万能ではなく、そのときの目的や状況、個人の持つ資質によって、発揮できたりできなかったり、必要だったり必要がなかったりするわけです。
もちろんリーダーにはリーダーシップを自然と求められます。
ですが、リーダーだけがリーダーシップを持っていればいい、というわけではありません。
多くの人は、リーダーに「完璧さ」を求めます。
ですが、完璧な人間などいません。
リーダーと言えど人間ですから、至らない点が多々あるわけです。
それをいかにして補うか。
それがリーダーを支える人のリーダーシップにゆだねられているんですよね。
リーダーがもつリーダーシップと、リーダー以外が持つリーダーシップがそこにはあり、リーダーをいかにして補うかが、リーダー以外の人たちがもつ責任と言えるでしょう。
リーダーを補佐する。
これも大切なリーダーシップの一つなんですよね。