2020.6.8 心理学講座 リーダーシップのイメージ(リーダーシップへの道3)
リーダーシップは、とかく悪いイメージがつきまといやすいんですね。
責任が重くなる。
誰も協力してくれない。
全部自分でしなくてはいけない。
誰も認めてくれない。
孤独である。
辛い事ばかりである。
やりたくない事をやらされる。
これだけあげて、さああなたもリーダーシップをとってください!と言われても、とりたいとは思わないでしょうね。
私だっていやです(笑)
リーダーシップというのは、例えるならば「道」です。
例えば、東京から大阪に行こうと思ったとき、行き方は何通りもあります。
飛行機、新幹線、在来線、車、船、自転車、徒歩、ヒッチハイクなど、どれを選ぶのかは自由なんですよね。
当然新幹線や飛行機を使えば、速いし楽ですが、その他の車とか自転車を利用した場合、新幹線や飛行機では味わう事のできない、いろいろな体験をする事ができます。
リーダーシップのプロセスで大切な事は、最終的に目的地に着く事ではあるのですが、目的地に着くまでに、どれくらい経験を積んで成長したのか、というのがすごく大切になるわけです。
富士山に登ろうと思ったときに、ヘリコプターで一気に山頂までいくとの、5合目から自分の足で歩いて山頂までたどり着くのとでは、達成したときの気分はどう違うでしょう?
間違いなく、自分の足で歩いた方が、達成したときに得られるものは、ヘリコプターでは味わえませんよね。
そして、その経験が必ず誰かの役に立つわけです。
その道が苦労したと感じた分だけね。
もちろん、ヘリコプターでなければ体験できない事もありますから、それはそれでいいんですよ。
また、既にある道を指示に従って歩くのと、道無き道を誰の指示もなく歩くのでは、どちらが精神的負担が重いでしょう?
どう考えても後者ですよね。
名前が同じリーダーシップでも、道筋は人それぞれに違います。
つまり、自分が進む「リーダーシップの道」には、地図もなければお手本もない、道すらないかもしれません。
そんな中で、自分で道を切り開き、前に進んで、自らが地図を作っていかなくてはいけません。
こんな事をするくらいなら、もっと楽な道を進みたい。
誰だってそう思います。
結果として、リーダーシップのイメージは「辛いもの」「しんどいもの」ということになり、あまりやりたがらなくなるわけです。
実際には、上記のような事はよくあります。
廻りから理解されなかったり、責任はふくれあがり、すごく孤独感を感じ、ともすれば投げ出したくなる事もたくさんあります。
しかし、一度リーダーシップの道に踏み込んでしまうと、そんな事を考える余裕もなくなってしまいます。
それは、道の先にある「目的」や「目標」を見据えているからです。
例えば、「弁護士試験に合格する」という目標があれば、やりたくない勉強もすることになるでしょうし、自力で試験に合格しないといけません。
ただひたすら、目標に向かって努力をするしかないわけです。
でも、あとあと振り返ってみれば、イメージが間違いであった事に気がつきます。
誰からも理解されなかったのではなく、自分が見えている者が周りの人には見えていなかっただけの事であったり、それほど責任は重い者ではなかったり、孤独だと思っていた者が、実は多くの人に支えられていた事がわかるわけです。
ひたすら前を見て歩いているときは、後ろがどうなっているかはわからないわけです。
しかし、後ろには自分を支えてくれる人や、自分が目標にたどり着く事を信じている人、心が折れそうになったときに支えてくれる人など、たくさんの人がちゃんとついてきているんですね。
リーダーシップの道は、自分自身が先頭ですから、自分の前に人はいないわけです。
でも、自分の後ろにはたくさんの人がいて、みんなが自分を支えてくれているんです。
自分はみんなに支えられてここまでくる事ができた。
その想いを感じる事ができたとき、リーダーシップの本当のイメージを感じる事ができるわけです。
リーダーシップの道は、決して独りで進む事はできませんからね。