成功について④~成功したら幸せか?
どんなときに人は成功したと実感できるのでしょうか?
私のセミナーの受講生に聞いてみたら
・幸せな状態になった
・プロ野球の選手になる
・年収一億
・結婚する
など、いろんな答えが返ってきました。
当然ですが、人それぞれ違うわけですよね。
セミナーで「夢をかなえるぞ~」「オ~!」なんてよくやっているところがあったりしますが、全員の夢が叶うわけではないわけです。
セミナーの多くは、金銭的、社会的な結果を手に入れるものが多いので、実際に夢をかなえる事ができる人は、100人に数人、多くても10人程度といわれています。
むしろ夢を叶える人の方が少ないかもしれません。
これは、自分が願っている「成功」が、「社会的な成功」を意味しているのか、それとも「心の成功」を意味しているのかによって、成功へのアプローチは全然違ってくるからなんですよね。
結果として自分が本当に欲しいものはなにか?
本当に求めているのは何か?
幸せになりたい、お金がほしい、社会的地位がほしい。
人それぞれ、欲しいものは皆違います。
カウンセリングで実際にあった事例で、
「お金もちになりたい。どうしたらなれますか?」
という質問がたまにありました。
そんなとき、クライアントさんに聞いてみるんですよね。
「お金を手にしたら何をするんですか?」
そうすると、いろんな答えが返ってきます。
楽したい。
世界中旅行したい。
おいしいものをたくさん食べたい。
遊んで暮らしたい。
お金さえ手に入れば幸せになると思っている人もいるかもしれません。
でも、お金を手にすることが本当の目的ではなく、お金を使って手に入れられるものが本当に欲しいもの、目的だったとしたらどうでしょう。
例えば、「結婚したい」といってカウンセリングを受けられた方がいました。
話を聞いてみると、「今まで自分はずっと不遇の人生を歩いてきた。結婚できれば、私の人生はきっとバラ色になるに違いない」とおっしゃいました。
カウンセラーの経験上、このような方は結婚にほど遠い部分があります。
理由は簡単。
結婚がゴールになってしまって、結婚生活まで考えていないんですよ。
それこそ「お姫様は王子様と幸せに暮らしました」
で物語が終わっているんです。
でも、実際の人生はそこでは終わりませんよね。
結婚後には、バラ色だけでない様々な出来事が待っているわけです。
けんかしたり、行き詰まったり、困ったり、大変だったり、そして幸せもたくさんある。
結婚はゴールではなくて、人生の第2部がスタートするという意識をもてないと、男性も女性も、たとえ結婚できても関係が破綻しやすくなってしまいます。
これはお金を稼ぐ事についても同じで、「何のために」がはっきりしていないと、ただ「お金を稼ぐこと」が目的になってしまったり、自分の心の中にある本当の「成功」を無視したりしてしまって、結果として「心が満たされない状態」が成功した後も続いてしまうわけです。
こんな例があります。
目の前に質素な食事があり、妻は食事に文句をいいました。
しかし、夫は「おいしい、おいしい」とその食事を食べています。
妻は夫に不満をぶつけます。
豪華な食事をたらふく食べたい、と。
夫はいいます。
「どれだけ豪華な食事でも、おなかがいっぱいになってしまえば、それ以上は欲しくなくなる。大切な事は、ないものを求めるより、今あるものを満足する事。そうすれば、不満は解消される。」
現実的なものを得たい妻と、心を満たす事を大切にしている夫。
対照的ですよね。
成功と幸せは、必ずしもイコールではありません。
なぜなら、「成功」と感じるもの自体が人にとって違うからです。
起業してお金持ちになることが目的なら、そうなれば成功ですし、幸せは実感できるでしょう。
しかし、そうなっても幸せを実感できないかもしれません。
心の成功にとって大切な事は、「幸せを実感できること」にあります。
言い変えれば、例え起業に失敗しても、自分を愛してくれる誰かが周りにいて、自分を支えてくれていることがわかれば、それは「幸せを実感できる瞬間」になるのかもしれない。
つまり、
成功は「目的」と密接に関係していて、
幸せは「実感すること」に関係している
そして
現実的・社会的成功は目に見える成果であり、
心の成功は、心が感じる成果なんです。