2020.8.17 心理学講座「うそという名の箱~うそつきの心理学~②」
次に(2)のその場から逃れたいからつくうそですが、これも非常によくある話ですよね。
責任を取りたくないから、叱られたくないから、自分のせいだといわれたくないから、
とにかくこの場から開放されたいから当等、ここではさまざまな理由でうそがでてきます。
たとえば、遊んでいて家の中の何かを壊したと思ってください。
親が壊れたものを見て「誰がやったの?」と聞いてきて、素直に「自分がやりました」と答えられる人は、親のしつけがいい証拠です。
しかし、もし「○○くんがやった」とか「弟が」とか、「言い訳」をあれこれ言い始めたら、この「言い訳」がうそになる可能性があります。
親が怖くて「自分です」といったらすごく怒られる!と思ったら、正直にいえますか?
これは夫婦間でもよくおこるんですよ。
このパターンのときは、どのような状況であれ、「恐れ」の感情が基本になっています。
「怖い」から逃げたいわけです。
そして、逃げるために手段を選ばないわけですよね。
(3)のうそをついていることに本人も気づいていないうそですが、これって、意外と多いんですよ。
うそをついている本人は、自分が正しいと思い込んでいるわけです。
ですので、うそであることにも気づかないし、うそをついていることも認めないわけです。
人から「頑固な人だね」といわれたことがある人は気をつけてくださいね。
このパターンがあるかもしれませんから。
たとえば、夫がすごく不機嫌な顔をしていたとします。
妻は当然どうしたのかと思いますから「どうしたの、何かあったの?」と聞くわけです。
そして、このような時、夫の殆どは「別に」と応えるんですよね。
本音を言えば、間違いなく何かあったわけです。
でも、口から出てくることは、本音とは全く違う言葉なんですよね。
しかし、この段階では、夫は自分の本音には気がついていませんから、
自分が「別に」とうそを言っていることにも気がつかないわけです。
ここには2つのうそがあります。
一つは「自分の本音にうそをついている」
もう一つは「本当はこうして欲しい、という気持ちにもうそをついている」わけです。
人間、素直な方が幸せになれますよ。
また、思い込みによる場合もあります。
あの店はあそこにある!と思い込んでいってみたら、実は勘違いをして違う場所にあった、ということはよくあることですよね。
思い込んでいる間は、自分が間違っているとは思いませんからね。
(4)のはじめはうそをついてないつもりが、結果としてうそになってしまううそですが、これもよくある話ですよね。
たとえば、熱烈な阪神ファンが「今年こそは阪神優勝や!」といっていたとします。
これが4月の段階であれば、うそではありませんよね。
なぜなら、まだ結果が出ていないからです。
そして、十月になって阪神が優勝できなかったら、この人はうそを言ったことになります。
初期の段階では、相手の言っていることがうそかどうか、それは誰にもわからないわけです。
そして、結果として相手の言っているとおりにならなければ、それはうそと扱われてしまうわけですね。
まあ今まで4つのうそのなかでは、一番悪気がないうそかもしれませんね。