2020.7.24 心理学講座 リーダーシップとサレンダー(リーダーシップへの道27)
サレンダーという言葉、皆さんは聞いた事がありますか?
意味は「降参」とか「降伏する」という意味ですが、辞書を開くと以下のようになります。
(要求・強制によって)(…を)(…に)引き渡す、明け渡す、降参する、自首する、(…に)手渡す、(…に)譲る、放棄する、身を任せる、おぼれる、ふける(weblioより)
で、私たちカウンセラーの間では、サレンダーを降参するという意味ではなく、「全てを委ねる」と言う意味で使います。
「人事を尽くして天命を待つ」
ということわざがありますが、この言葉の意味と同じと考えていただいていいでしょう。
例えば、すごく努力して、試験勉強をして、試験を受けた。
試験が終わってしまえば、あとは結果が出るまでどうする事もできませんよね。
もう身を委ねるしかないわけです。
また別の例を挙げますと、好きな人に逢いの告白をしようと思ったとします。
うまく行く確率は、どんなに努力しても1/2ですよね。
残りの1/2は、相手の選択ですからね。
「好きです、付き合ってください」
といって、オッケーがもらえれば、未来はバラ色ですが、断られてしまうと、かなりのダメージを受けるわけです。
そして、その結果を相手に委ねなくてはいけない。
これは怖いですよね。
リーダーシップの一番最後に、このサレンダーが待ち受けていて、全てを委ね、コントロールが全くできない状態で、相手や何かの結果を、ただ待つわけです。
できるのは、せいぜい祈ることくらい。
だから、リーダーシップのプロセスをいやがる人が多いわけでもあります。
リーダーシップとヴィジョンのお話は、以前したと思いますが、リーダーシップからヴィジョンに到達する直前にこの「サレンダー」があり、この「サレンダー」というプロセスを経て、ヴィジョンへと到達するわけです。
最近では、この辺りを省略するケースが多くなってますけどね。
例えば、でき婚なども、このサレンダーと関係がある場合があります。
以前聞いた話では、結婚する人の35%くらいはでき婚なんだそうで。
お付き合いして、プロポーズをして、結婚して、子供ができて、という手順が一般的ですが、この手順が以下のように変わるのができ婚です。
お付き合いして、子供ができて、結婚して。
気がつきますか?
「プロポーズ」をすっ飛ばしてしまうわけですよ。
結婚をしようと考えたとき、何らかのきっかけであったり、覚悟が必要なときがあります。
子供ができた、というのが、結婚するための一つのきっかけになる。
しかし、同時に弊害もあって、これも聞いた話なので信憑性まではわかりませんが、でき婚した人の離婚率が高いそうなんです。
これは世の男性陣にしっかりと覚えておいてほしい事かもしれません。
プロセスから逃れる事はできないのだ、という事にね。
覚悟したくないから、間をはしょって、少しでも自分の負担を減らそうとしても、どこかで省略した部分をやらされます。
エヴァンゲリオンの碇シンジの台詞ではありませんが、逃げても時間稼ぎができるだけで、あまり意味がないんですよね。
世の男性陣諸君(私含む)!
張り切って向き合っていきましょう。
余談ですが、このサレンダーを練習する方法があります。
それは、バンジージャンプやスカイダイビングです。
ただスポーツとして楽しむのではなく、あえて恐怖を感じながら、やってみるといいです。
そりゃ、地球の重力にサレンダーしますからね。
地球を信頼しないと、怖くて飛べませんからね。
元々バンジージャンプは、大人になるための儀式として行われていたわけですからね。
まあ理にかなったやり方かもしれません。
皆様も、よかったら体験してみてはいかがですか?
私はもちろん体験済みです。
120メートルのバンジージャンプを飛びましたよ(^^)