推薦状と信用状③〜信用と信頼の違い〜
過去に「期待と信頼」という心理学講座を書いたことがありますが、今回は、信用と信頼の違いについて、お話したいと思います。
信用することと、信頼すること。
どのような違いがあるのでしょう?
辞書で調べますと
信用:確かなものを信じて受け入れること
信頼:ある人や物を高く評価して、すべて任せられるという気持ちをいだくこと
(デジタル大辞林より)
こうなります。
一見、同じような意味に聞こえるのですが、私は昔から、この二つの言葉の意味が違うのではないか、と感じていました。
おそらく、基本は二つの言葉は、ほとんど同じ意味だと感じます。
ですが、ちょっとしたところが違うんですよね。
それは、心のベクトルです。
信用は、信じて受け入れるわけですから、ベクトルは「確かなもの」から自分に向いています。
信頼は、自分自身を信じることそのものなので、ベクトルは自分から自分に向いているわけです。
確かなもの→自分
自分→自分自身
つまり、信用は自分以外の誰かを信じることで、信頼は自分自身を信じることと、おおざっぱに分けるとなるのかな、と。
本来、ここまで厳密に分ける必要はないと私も思います。
ただ、気になると調べたくなるんですよねぇ(笑)
元々、気になった理由は、私自身が「信用」という言葉をあまり使わないんですよね。
しかし、クライアントさんで「信用」という言葉をよく使う人がいるわけです。
この違いって、なんだろう?
そう感じたことが、この心理学講座になっているわけです。
で、実際にこの言葉の違いが、現実面でどのように見えてくるのでしょう?
信用していて、裏切られた時、信用していた分だけ、相手を責める可能性があります。
なぜなら、自分の外にあるものを信じていますからね。
一方、信頼は、自分自身を信じるわけですから、相手に裏切られても、信じた自分の責任、ということになりますので、相手を責めることはないわけです。
ただ、責めたくはなりますけどね(笑)
相手を責めても、意味がないことをどこかで理解しているのかもしれませんね。
信じる
この言葉一つをとっても、信用しているのか、信頼しているのか、もしかしたら本当は期待しているのか、このあたりを自分自身が理解していないと、怒りや悲しみなどの感情で、振り回されてしまうことになります。
日本語って、なかなかに奥が深い言葉ですねぇ。