DVとハラスメント
カウンセリングの相談の中に、虐待(DV)やハラスメントの相談があります。
ただ、その相談の多くが、「本人が虐待やハラスメントされていることに気が付いていない」ケースが多いんですよね。
周りからみれば、「いや、それはハラスメントでしょう」とわかるものでもあっても、当の本人は気づいていないわけです。
人に言われて、ハラスメントだったんだと気が付くケースが多いわけですね。
その中でも、特に言葉の暴力(モラルハラスメント)や、誰かがハラスメントされているのを見ているだけでも、影響を受けることはあるわけです。
しかも、かなり気づきにくいんですよね。
例えば、同僚が上司に言葉の暴力を受けているのを見ていたとしたら「次は自分がどなられるかもしれない」とおびえたりします。
その結果「上司に怒鳴られないように」行動するわけですが、この行為自体が、防衛の一つでもあるわけです。
このような防衛は癖になりますから、目上の人から怒鳴られる、極端な例では、社会が自分に攻撃的に感じる、とか感じて、簡易を感じるものすべてが怖くなっていき、防衛を始めてしまうわけです。
こういった虐待やハラスメントで、一番厄介なのが、虐待している本人に、全く自覚がないことなんですよね。
これはいじめも同じで、いじめている本人に、いじめをしている自覚がないケースが多いわけです。
自覚があっていじめていれば、それは犯罪だと私は感じています。
自覚がなくても、充分犯罪行為なんですけどね。
いじめや虐待、ハラスメントから脱するためには、まずその場から逃げることです。
相手が親の場合は、なかなかそう簡単にいかないのが現状ではありますが、まずは物理的な距離を取る、というのが基本です。
なぜなら、状況が最悪の場合、命を落とす危険があるからです。
命を守る、というのは、カウンセリング以前の問題ですからね。
次に、自分と相手のことをよく理解する必要があります。
敵を知り、己を知れば百戦危うからず
孫子の兵法にもありますよね。
自分が置かれていた環境や、相手が自分に対して、ハラスメントをしてくる理由、自分自身が抱えている問題などを、ここでは理解する必要があります。
そして、ここからが現実的な行動です。
相手を理解することで、できる限り対応策を試してみます。
それは離婚や転職、警察や弁護士に相談するなど、実際に「自分を守るため」に行動する必要があるわけです。
いじめの場合、どうしても迷惑をかけてしまうから言えない、ということを感じることが多いわけですが、この場合、誰かに話して、ちゃんと助けを求めることが行動になります。
ここで「難しい」「できない」と感じてしまうときがあります。
この場合、心の問題が影響している可能性が高いですから、対応策を講じながら、心の問題も見ていくことが必要になります。
怒りがある場合も同様です。
心というのは、悪い状態からいい状態に変わるときであっても、「変化」に対して強く反応します。
この反応が「怒り」であったり「恐れ」であったりするわけですが、これをカウンセリングでは「抵抗」というわけです。
カウンセリングでは、この抵抗をうまく外していく作業でもあるわけです。
まるで、向きにくい茹で卵の殻をむくような感じですね。