最近の熟年離婚事情
昔、テレビで熟年離婚に関する特集を観ました。
内容は、結婚10年目にご主人が家族のことに関心を示さないことに気付き、会社で嫌なことがあると家族、特に奥さんに八つ当たりをして、少しでも気に入らないことがあれば奥さんを責めて、ある時ご主人のことが怖くなって家を出ていくことを決めたという話でした。
実際に私のカウンセリングでも、熟年離婚に関する相談は増えています。
まあ熟年でなくても、相談は多いんですけどね。
その多くは夫の浮気や言葉の暴力が原因ですが、その他にも、突然別れてくれといわれたりとか、別居したいと言われたりなど、さまざまな理由があります。
その中の多くに共通することが、
・パートナーが話し合いに応じてくれない。
・パートナーが嘘ばかりを言って、本音を聞き出そうとすると逆ギレする。
・「おまえのせいだ」「会社のせいだ」「あなたのせいだ」と、必ず誰かのせいにする。
・パートナーに対して、腹が立っているのに言わずに我慢している。
などがあります。
テレビでは、
・夫が家事を何もしてくれない
・夫が話を全く聞いてくれない
・夫の何気ない行動に腹が立つ
などのように、奥さんの立場に立った内容でコメントをしていました。
熟年離婚に関して、私が個人的に感じていることですが、根本的な原因は見えているところにあるのではなく、毎日の生活で積み重ねられたささいな不満が、あるとき我慢しきれなくなって爆発するのだろうと感じています。そして、それを感情や言葉で表現するのが女性で、それを行動や態度で表現するのが男性なのかもしれませんね。
実際に、女性が男性に対して我慢しきれなくなるポイントは、日常生活の行動や言動、服を脱ぎ散らかす、歯磨きの時に水を出しっぱなしにする、困っているときになんの役に立たない、食事に関しておいしいといわない、けちばかりつける、嘘ばかりつく、相手にしてくれないなどをよく聴きます。
一方、男性が女性に対して我慢しきれなくなるポイントは、口うるさい、ヒステリック、甘えさせてくれない、話を聴いてくれない、感謝の言葉がない、家に帰っても居場所がないなどをよく耳にします。
どちらも、ほんの少しコミュニケーションを取ることで解消できる問題もたくさんあるのでしょうが、そのコミュニケーションがとれない、もしくはコミュニケーションを取ることを避けていることが問題としてあるのかもしれませんね。
パートナーシップでは、どちらか片方の問題という考え方はせず、双方に同じ問題が提示されていると見ていきます。
その問題に対して、どのように向き合っていくかが、より関係を深めていくのか、離婚という選択を選ぶのか、どちらも決められないと逃げ回るのかという選択肢になるのでしょうし、選んだ結果が、逃げ回る、相手を責める、言葉の暴力を振るう、切れる、浮気する、嘘をつくなどの行動に走らせてしまうのかもしれませんね。
さてさて、皆さんのところは大丈夫でしょうか?
一般的な離婚の原因になるのは
1 浮気
2 夫の暴力
3 金銭問題
と言われていますが、熟年離婚の場合、『不満』が理由そのものになりますので、いかにパートナーの不満を聴いてあげられるかが、コミュニケーションの鍵になります。
もちろんお互いに不満を聴きあうことができれば、一番いいのでしょうね。
そして、パートナー、もしくは不満を聴いてくれる人が周りにいないと、職場や日常生活の人間関係の中で、その不満を発散させてしまうのでしょうね。
人間関係のトラブルは、この不満を自覚なく発散させている、もしくは自覚なく不満を引き受けているのかもしれませんね。
まずは自分自身で、しっかりと自覚していくこと。
そして、そして、相手が不満を引き受けてくれる人かどうか見極めることが必要でしょうね。
熟年離婚の可能性は、すべての人にあります。
私もその例外ではありませんでしたからね(苦笑)
そうならないようにするためにも、普段からの気配りを忘れないようにしましょうね。
※このお話は、2006年06月28日に掲載されたコラムを加筆、修正したものを再掲載しております。