パートナーシップコミュニケーション~その3~
コミュニケーションには「ずれ」がある その2
さて、今回は「パートナーシップコミュニケーション」の第3回「思考と感情のずれ」のお話になります。
コミュニケーションは、話し手と聞き手のやり取りによって行われます。
話し手が伝えたいことを発信し、聞き手がそれを受信します。
ラジオと同じ原理ですね。
ラジオと違うのが、話し手と聞き手が入れ替わり、お互いに伝え合うことができるという点でしょうか。
では、コミュニケーションにおいて思考と感情のずれが生じた場合、どのようになるのでしょう。
まず話し手ですが、人がパートナーに自分の気持ちを伝えようとしたとき、その表現方法には思考を使います。
しかし、伝えたいこと事体は感情の中にあるんですよね。
一般的によくあるのが、人が怖いとか寂しいと感じたとき、怒りをぶつけたりするんですよね。
感情として伝えたいのは寂しいとか怖いなのに、表現は怒りになるわけですから、聞き手には「怒っている」としか伝わらないわけです。
そうすると、聞き手は話し手の「怒り」に対応しますから、話し手の感情には対応できなくなるわけです。
こうなると、コミュニケーション事体がずれてくるのがわかりますよね。
さらにこの思考と感情のずれは、男女間の考え方のずれにも関係してきます。
コミュニケーションを行うとき、男性的な人は論理的に物事を捉えようとします。
つまり、思考を重要視するわけです。
一方、女性的な人は感情や感性を重要視するんですよね。
そうすると、パートナー間でコミュニケーションを行うとき、よくあるのが、男性的な人は論理的に話そうとしているのに、女性的な人は感性で男性的な人の言葉を捕らえようとします。
しかし、ずれがある分だけ、聞き手側が話し手の伝えようとしていることが理解できなくなってきます。
それでもしばらくコミュニケーションをとろうと頑張るのですが、最後には話し手が感情をぶつけたり、引きこもったりしてコミュニケーションを断ち切ってしまうわけです。
聞き手は理解できないままコミュニケーションを断ち切られますから、ますます理解できない状況になっていくわけです。
カウンセリングを利用される方の中で、コミュニケーションの聞き手側の人が多いのは、話し手よりも「理解できない」ことが多いからなのかもしれませんね。
さて、次回は「男女間のずれ」についてお話いたします。
お楽しみに。
※この心理学講座は、 メルマガ「恋と仕事の心理学」 2012/8/28号に掲載されたものを、加筆修正して再掲載しております。