パートナーシップコミュニケーション~その4~
コミュニケーションには「ずれ」がある その3
さて、今回は「パートナーシップコミュニケーション」の第3回「男女間のずれ」のお話になります。
ちょっと想像してみてください。
言葉も全く通じない、文字も読めない、情報をなにも持っていない外国に独りで行ったとしたら、皆さんはどのような気持ちになるでしょう。
私だったら、不安で不安でたまらないですね。
そんなとき、ふと近くで日本語が聞こえてきたりしたら、どんな気分になるでしょう?
多分安心するんですよね。
人は、自分と同じ「何か」を見つけると、安心感を感じます。
パートナーに対しても、「自分と同じ何か」を探すことによって安心感を得ようとするわけです。
しかし、男性と女性、正確には男性的な人と女性的な人では、様々な部分に違いがあります。
それを「自分と同じ」と思い込んでしまったり「同じではない」と相手を責め立てたりしてしまうと、関係が壊れてしまうこともあるので、気をつけたいところですね。
この違いを正しく認識しないと、コミュニケーションはずれていってしまうわけです。
例えるならば、
「私ができて当たり前、わかって当たり前のことは、あなたもわかって当たり前でしょ。」
という考え方であったり、
「自分はこれ位してあげているんだから、僕に対してこれくらいしてくれるのが当たり前」
のように、「当たり前」と思ってしまうことは、心のどこかで相手と自分を「同じ」と思い込んで考え方を組み立てている可能性があります。
しかし、実際には自分ができて当たり前のことが必ずしも相手にとってできて当たり前とは限りませんし、してあげたことと同じだけ自分に還ってくるかどうかも、必ずしも自分の思った通りになるとは限らないわけです。
ところが、自分の想い通りにならないと、つまり「当たり前」と思っていることが当たり前でなかったとき、人は腹を立てます。
女性的な人は相手を攻めますし、男性的な人は引きこもったりするわけです。
このように、男性的な人と女性的な人とでは、表現方法などが根本的に異なるんですよね。
なので、「同じ」という発想をもっていると、本当に後で「裏切られた」と感じるくらいショックを受けるはめになってしまいますから、気をつけてくださいね。
他にも、男性的な人と女性的な人との違いはたくさんあります。
一例を挙げると、思考の組み立て方、怒りの表現、欲求の種類と求め方、感情の扱い方、恥の概念、自罰傾向と他罰傾向、責任の概念など、まだまだたくさんあります。
皆さんにわかりやすく例えるのであれば、青森県民と沖縄県民がお互い方言でしゃべっているくらい違うと思っていただければ、わかりやすいと思います。
パートナーシップに「当たり前」は通用しません。
当たり前がある分だけ、すれがあるかも、と思えれば、ずれが大きくなることもなく、二人の関係も穏やかにつづくことでしょう。
さて、次回は「お互いの違いを受け入れてみる」についてお話いたします。
お楽しみに。
※この心理学講座は、 メルマガ「恋と仕事の心理学」 2012/9/11号に掲載されたものを、加筆修正して再掲載しております。