「自分が好き」ということ②
前回の続きになります。
もし、全部当てはまるというのであれば、それは単に「自分が嫌い」という気持ちが少し多めにある、というだけです。
「だから私は幸せになれない」わけではないんですよ。
誰にだって「嫌いな自分」はあります。
ただ、その「嫌いな自分」を理由に使ったりすることで、自分を幸せにしないことはできるわけです。
逆に、どれだけたくさんの「嫌いな自分」があったとしても、「それでもこんな私が好き」と思えれば、この人は間違いなく幸せを感じているでしょうね。
「自分が嫌い」と「幸せではない」は必ずしも比例するものではありません。
しかし、「幸せではない」=「自分が嫌い」と思い込んでいる人はたくさんいるかもしれません。
自己嫌悪、つまり「自分が嫌い」という感情は、あってもいいわけですよ。
ただ、それを理由に、自分や誰かを攻撃することや、自分を幸せにしないことは、問題ですよね。
とくに「おまえのせいだ」「おまえが悪い」と、誰かを非難している人や、「私が悪い」と自分を責めている人は、要注意ですね。
これらの行動がある人は、「自分が嫌い」という感情に振り回されている可能性が高いですからね。
では、その状態から抜け出る方法もついでにお教えしましょうね。
それは、まず「嫌いな自分」があるということと、「自分が嫌い」という感情に振り回されているということに、気がつく必要があります。
誰かを非難しているのであれば、非難していることに、自分を責めている人は、自分を責めていることにしっかりと自覚を持つ必要があります。
そのうえで「もうやめよう」と、何回も、何十回も、何百回も、自分に言い続けることです。
はりきってチャレンジしてみてください。
最後に、自分の欲求のままに好き勝手に行動して、周りに迷惑や負担を与えている人は、「自分を好き」な人ではありません。
これは、ただ「傲慢」な人です。
要するに、自分も含めて、誰も愛さない、誰も愛せない人の可能性が高いわけです。
そんな人を見かけたら、「ああ、この人は誰も愛せない悲しい人なのね」と、みんなで哀れんでやってください。
もちろんこれは、私の経験からくる「私的」な考え方です。
みなさんいろんな考え方があるでしょうから、一度「自分が好き」ということについてよかったら考えてみてくださいね。
※この心理学講座は、2007年03月03日に掲載されたコラムを、加筆修正して再掲載したものです。