自覚がないのは困りものです
よく私の講座では、自立をテーマにしたお話しがたびたびありますが、一般的な自立と呼ばれているものは、ほとんどが経済的な自立を意味すると最近感じています。
ただ、私が自分の講座やコラムで取り上げている自立とは、一般的な自立と少し違っていて、「精神的・心理的な自立」を意味しています。
誰かに頼らず、自分の力だけで生きていく。
それはそれで悪いことではないと思いますよ、私も。
この表現だと、聞こえはいいのですが、実際は「独りで生きていく」ことを意味するということに、どれだけ気が付いているのかな、と感じるときがよくあります。
心理的に見ると、誰にも頼らない、誰にも相談できない、自分で何とかしなければいけないなど、こういった感覚は、心理的に自立している人の言葉でもあります。
で、自分が依存的だなぁ、と思っている人ほど、心理的には自立している可能性が高いというのも、今までにお話したと思います。
自分にとっての当り前は自覚しないものですから、自分の「依存」を自覚している段階で、依存が当たり前ではない、ということになるわけです。
本当に依存している人は、自分が依存していることにすら自覚がなく、自分は自立していると思い込んでいる人のほうが多いですからね。
例えば、経済的に自立しているからと言って、精神的に自立しているとは限らないし、仕事ができてみんなから信頼されている立場にあるからといって、家族や身内に当たり散らしたり、誰かのせいにしていたりすれば、それは依存していることになるわけですからね。
このような状況って、DVやハラスメントではよくあることなんですよ。
これも何度もお話していますが、DVやハラスメントをしている人のほうが、心理的には依存しているわけです。
弱い者いじめをしているジャ○アンのようなものですよね。
で、ジャイ○ンも、家に帰れば、母親に頭が上がらない。
自分が家でされていることを、家でたまったフラストレーションを、ほかの場所で八つ当たりして発散しているに過ぎないわけです。
つまり、DVやハラスメントは、八つ当たりできる相手に依存しているわけですよね。
愚痴る程度はかわいいものですよ。
先日忘年会で、若い男の子がお酒に飲まれて、上司や部長に暴言を吐きまくって、周りに迷惑をかけまくったということがありました。
まあ周りの皆さんはなれたものですから、お酒のせいにして笑い話にしてくれるわけですが、当の本人は、目が覚めたときに相当青ざめたそうです。
これも八つ当たりするよりかわいいわけですよ。
しかも、八つ当たりって、当の本人には、八つ当たりしている自覚が全くありませんからね。
酔っ払いよりもたちが悪いかもしれません。
自覚がないって、本当に怖いなぁ。
しみじみそう思いますよ、ほんと。
子供が親に八つ当たりするみたいに、わかりやすければいいのですが、大人が八つ当たりするのは、本当にわかりにくいし、影響力も強いわけです。
自分は自立していると思っている人は、気を付けてください。
周りに八つ当たりしていないかどうか、ね。