ネガティブとポジティブのバランス
最近感じたことなのですが、よくネットの記事や本、占いなどで、
ポジティブに
前向きに
などと書かれてあること、ほんとよく目にします。
私もカウンセリングでは、この言葉をよく使っていますしね。
幸せな人生を歩むためには、確かに必要なことですし、何の間違いもないんですよね。
ただ、なんか最近、これらの言葉に違和感があるんですよねぇ。
実際に違和感を感じているのは私だけなのだろうから問題ないとは思いますが、なんかポジティブであることが正しくて、ネガティブなのが間違いなような感じがしてくるんですよね。
人生って波がありますから、ポジティブな時期もあれば、ネガティブになる時期もあるわけです。
ポジティブに、前向きに意識を向けたほうがいいのは当然だとは思うのですが、そうなれないときも人にはある、と感じるわけですよ。
私個人として、なんとなくポジティブだけ、前向きなだけだと、ちょっと息が詰まる感じがするわけです。
一言でいうと、バランスが悪いわけですよ。
本来あるべきものがないと、人は違和感を感じますし、同じようにないはずのものがあっても、違和感は感じるものです。
私はいつも、大切なのはバランスだと思っています。
石ノ森章太郎さんのマンガで「人造人間キカイダー」というのがありますが、これは主人公の人造人間のジローの心に良心回路が組み込まれているわけで、この回路が、ジローを苦しめるわけです。
ですが、のちに敵から服従回路を増設され、その服従回路に負けまいとする良心回路が働いて、やっと心が安定する、という話があるんです。
ネガティブとポジティブ、両方あるからこそ、こころはバランスをとれるのではないか。
まさにこの話と「人造人間キカイダー」の話って、重なっているんですよね。
で、自分独りの時は、自分のこころの中でバランスをとるわけですが、パートナーや家族、周りに人たちといると、みんなでバランスをとろうとするわけです。
わかりやすい例でいうと、よくしゃべる奥さんに、無口な夫。
たして2で割れば、普通になるわけですよね。
独りでバランスが取れないときは、周りの人たちとバランスをとろうとする。
これがこころのバランスのとり方と感じます。
今、自分とかかわっている人たちをよく思い出してみてください。
自立している人、依存している人、怒っている人、悲しんでいる人、いろんな人がいると思います。
それらの人が、自分のこころと対になってバランスが取れているとしたら、どうでしょう?
例えば、私の周りには自立した人ばかりが集まっていますから、バランスとしては私は依存である、というのがわかるわけです。
ただし、例外があります。
それは、楽しさ
この感情だけは、対になるのではなくて、二乗になります。
自分のこころの状態を知る方法として、周りにいる人たちを観察してみる。
そうすることで、今の自分が抱えているもの、隠しているものが、実は鏡のように映しだされているのかもしれません。
さて、今さんも、今自分の周りにどんな人が集まっているのか、確認してみてください。
そこから、今の自分が垣間見えてくるかもしれませんよ。