相互自立のカギ
相互自立のお話で、クライアントさんから質問がありました。
パートナー同士では相互自立は成立するんですか?
はい、お答えします。
相互自立は、親子や師弟、友人関係などで成立するもので、パートナーや夫婦関係では、相互自立は成立しません。
なぜなら、パートナーとそれ以外とでは、心の支え方が違うからです。
内助の功
という言葉があるように、パートナーという立ち位置では、相互自立的な支え方ではなく、相互依存的な支え方をする必要があるからです。
わかりやすく言いますと、友人に求めるものと、恋人に求めるものって、同じではありませんよね。
同様に、友人が与えられるものと、恋人が与えられるものも、また同じではないわけです。
もし恋人が相互自立的な与え方をしてしまうと、相手は精神的に孤立してしまうんですよ。
たとえるならば、スタンドで応援するか、ベンチで応援するかくらいの違いがあるわけです。
ま、パートナーという位置づけは、ほかの人たちと与えられた役割がちょっと違う、ということでしょうね。
もちろん親子関係や友人関係であっても、相互依存的なものもあるわけです。
ですので、はっきりとした線引きはないんですよね。
ですが、相互依存というのは、絶えず共依存にすり替わってしまうというリスクがあるわけです。
同じように、相互自立には、お互いが別々に自立しあってしまうと、力の争い、パワーストラグルといいますが、要するにけんかになってしまうわけですよ。
相互自立にしても、相互依存にしても、その関係性を維持していくためには、コミュニケーションやつながり、信頼、絆や理解など、そういった関係性の構築が重要になってくるわけです。
よくスポコンドラマなどで、コーチはなぜ私にだけ厳しいんだろう、なんて主人公が悩んでいたら、じつはその厳しさの裏に、自分に対する信頼と愛情があることにある日気づいて、コーチを信頼するようになった、なんてのはよくある話ですよね。
相互依存も相互自立も、「信頼」が大きなカギになっているのかもしれませんね。