2020.9.19 心理学講座 「コミュニケーションがうまくいかなくなったときのチェックポイント」1
第1章 5つのチェックポイント
コミュニケーションがうまくいっているときは、人はコミュニケーションについてあれこれ考えたりはしません。
パソコンの調子がいいときに、パソコンに問題があるとは思いませんからね。
しかし、コミュニケーションに何らかの問題が生じてくると「コミュニケーションがうまくいっていない」「コミュニケーションが取れていない」と感じてしまいます。
このように「コミュニケーションがうまくいっていない」と感じたときには、以下の5つのポイントをチェックしてみてください。
ほとんどの場合、この5つのどれか、もしくは2つ以上に問題が生じているケースがほとんどを占めます。
その1
聞き手の技術的な問題
その2
話し手の技術的な問題
その3
話し手、聞き手の感情の問題
その4
話し手、聞き手の勘違いという問題
その5
目的
この5つのポイントのチェックの仕方を簡単にお話しようと思います。
その1「聞き手の技術的な問題」
たとえば、とても面白いラジオ番組があったとします。
しかし、ラジオなど、番組を聞くための装置を持っていなかったとしたら、聞くことはできるでしょうか?
当然ですが、誰も聞くことはできませんよね。
実はこの例と同じように、いくら話し手が相手にわかるように表現したとしても、聞き手に理解する能力がなければ、どれだけ話し手が優秀であってもコミュニケーションはうまくいかなくなってしまいます。
つまりコミュニケーションの要は話し手ではなく、聞き手にあるんです。
では聞き手の問題とはどのようなものでしょう。
聞き手にとっての目的は、話し手の表現していることを理解することです。
話を聞いてあげることが目的の場合もありますが、実は聞いてあげる以上に理解することのほうが大切なんですよね。
例えば、聞いただけで「理解した」気になってしまったり、「きっとそういうことなんだ」と答えを勝手に決めてしまったり、話し手が話していることに反論しかしない、などはコミュニケーションがうまくいかなくなってしまう原因として挙げられます。
余談ですが、特に男性的な方の「理解した」と女性的な方の「理解した」は多少意味が違う可能性がありますから、気をつけたほうがいいんですよね。
ちなみに、男性的な方にとって「理解した」は、「思考が理解した」ことを意味し、女性的な方の「理解した」は「感情が理解した」ことを意味します。
つまり、聞き手にとっての最大の問題は「先入観」なんです。
先入観を持って話を聞いてしまうと、相手の話を正しく聞くことができなくなってしまうわけです。
コミュニケーションというのは、話し手と聞き手が交互に入れ替わり、お互いに表現しあい理解しあうことで成り立つわけです。
また「話し上手は聞き上手」ということわざがあるように、基本的に話を聞くのが上手な人は、話すのも上手です。
最後に、聞き上手になるための練習方法ですが、漫才なんかがおすすめです。
関西人の多くは、テレビに向かって突っ込みを入れたりします。
「なんでやねん」とか「そんなことあるかいな」とかね。
実は関西人の「ボケと突っ込み」は、ひとつのコミュニケーションの完成系といえるかもしれません。
もちろん笑わせることが目的ではありませんので、軽い気持ちでやってみるといいかもしれません。
あとは、ダジャレなどの言葉遊びがいいそうです。
言葉遊びは話し手にしても聞き手にしても、「遊ぶ」ことで表現力と言葉の意味を知ることができます。
カラオケで友人が歌っているときに合いの手を入れる、なんてのも練習になるかもしれませんね。
皆さんができるやり方で、楽しんでやってみてください。