2020.9.9 心理学講座 デモデモ星人の心理とは その3
デモデモ星人の分類
デモデモ星人は、底なしバケツ
デモデモ星人は、自分の欲しい形だけの愛情を求める「欲求の塊」となり、ひたすら自分の欲求を満たすために、デモデモ星人になります。
しかも、当の本人が気が付いていないので、際限がないわけです。
穴の開いたバケツに水を注ぎ続けて「いっぱいにならないからもっと」といわれ続けているような感じになるわけですよ。
同時に、自分が望んでいる返答がほしいと、ずっと求めてもいます。
この場合、自分の中にすでに答えがあって、その答えを証明するか、証明してくれる人を求めるわけです。
この「自分の中にある答え」を導き出してくれない限り、デモデモ星人を辞めることは難しいわけです。
例えば
「私は誰からも愛されない」
という答えがあった場合、ほしい言葉は「そうだね、あなたは誰からも愛されない人だよね」と、言ってほしいということになります。
もしくは「そんなことはない」と否定し続けた結果、疲れ果てて相手が否定を辞めてしまうと、その時点で「ほら、やっぱり私は愛されない」という結果を導き出してしまうわけです。
これは、本当に愛を求めている証拠でもあり、傷ついた自分と向き合えない状態でもあります。
痛みに耐えられないわけですよ。
痛みのほうを強く感じていますから、一時的にでもデモデモ星人になることで、一種の麻酔をしているようなものですね。
デモデモ星人は、頑固者
デモデモ星人は、自分の中に、すでに答えを持っています。
なぜなら、答えを知らなければ、否定することはできませんからね。
ただ、その答えが正しいかどうかとか、幸せになれるかどうか、そんなことはどうでもいいわけです。
ただ、自分の中にある答えを「ただしい」と盲信しているわけです。
就職活動をして、1社も内定が取れなかった。私は社会から必要とされていない人間だ。
受験に失敗した。もう自分の人生は終わりだ。
そんなことはないですよね。
でも、ある種の「きめつけ」が「そうにちがいない」に変わり、結果「そうに決まっている」となり、最後の最後は「そうでなければいけない」とまで変化するわけです。
これを心理学では「観念」とか「自己概念」といいますが、この「観念」を絶対的に信頼しているんですよね。
心の変化と成長は、「観念」や「自己概念」よって阻害されます。
成長するのが怖かったり、変化が怖い時にも、デモデモ星人になっちゃうわけです。
デモデモ星人は、完璧主義者
実は、ただ完璧主義者だけではなくて、負けず嫌いでもあります。
負けるのが嫌だから
完璧にできない(完璧にできない=負け)のが嫌だから
チャレンジすることを、変化することを嫌がります。
自分が望んだ結果が得られないと感じると、まず行動に移すことはしませんし、逆に本気を出して誰かに勝てなかったり、完璧にできなかったりすると、それだけで自己嫌悪に陥ってしまうわけです。
言い換えるならば、完璧な自分が、自分にとっての最大のライバルになるわけです。
完璧な自分に勝負を挑んで、勝てると思いますか?
勝てないと思ったとき、争わない選択、つまり、デモデモ星人になって「やらない」選択をするわけです。
デモデモ星人は、すごく怖がり
「完璧主義者」の続きになりますが、デモデモ星人になる人の多くは、失敗を自分に許さないし、完璧であることを自分に強要しています。
もちろん無意識でね。
すると、完璧でない自分、失敗する自分は「赦してもらえない」と感じてしまうわけです。
心理学では「自分が赦せないことは人も赦せない」ですから(その逆も同じ)、人に対して赦せない部分がある人ほど、自分も赦せなくなっていき、どんどん怖くなって、結果「自分の身を守る」のための理由ばかりになります。
この場合の「でも」は、鎧と一緒なんです。
たくさんの鎧を着こんで、重くて動けない人がそこにいる、ようなものですね。
デモデモ星人は、甘えたさん
「でも」と否定し続けている限り、その「でも」を否定してくれる人がそばにいたりします。
実は、その間は、意識が自分のほうを向いてくれるわけですよ。
つまり、自分に意識を向けておいてほしかったり、駄々をこねて甘えたかったりする時にも、デモデモ星人になったりします。
実はデモデモ星人で、一番多いのがこのパターンです。
例えば、友人から電話があり、相談を持ち掛けられた。
ぱっとアドバイスをして、すんなり聞き入れたら、何分くらいで終わるでしょうね。
しかし、そこでこちらが出したアドバイスに対して「でも」という言葉を還してくると、通話時間が飛躍的に伸びる、というのはわかりますよね。
これは、無意識では「淋しい」わけです。
そのさみしさを埋め合わせるための「でも」ですので、いくらいいアドバイスがあっても、目的がそこにはないですからね。
素直に「甘えたい」と言えればいいわけですが、さすがに大の大人が「甘えたから構ってほしい」と、なかなか言いませんよねぇ。
これも、愛情を求めている行動の一つで、それだけ愛情に飢えていることを示しています。
ただ、自分の欲しい形の愛情しか受け取りませんので、相手の求めるものをピンポイントで与えてあげない限り、なかなかここから抜け出すのは、骨が折れる作業になります。
デモデモ星人は、とにかく素直じゃない
「甘えたさん」の続きになりますが、素直に「甘えたい」といえれば、デモデモ星人になる必要はないわけです。
素直になれないから、デモデモ星人になることでしか、甘えられなくなるわけです。
自分が「愛を求めている」ことに気が付かないと、とにかくデモデモ星人になってしまいますからね。
実際、素直に自分の気持ちを言う人って、あまりデモデモ星人にはならないんですよね。
まあ、素直になれたら、誰だって苦労はしませんよねぇ。