2020.8.31 心理学講座「コントロール」① 「コントロール」してしまうのはなぜか

「コントロール」してしまうのはなぜか

ちょっと想像してみてください。

目の前に、風船があると思ってください。
今その風船は、野球ボールくらいの大きさです。

皆さんは、それを見てどう思うでしょうか?

まあ、風船があるな、というくらいかもしれませんね。

では、それが徐々に大きくなって、バレーボールくらいになったらどんな感じがするでしょう。

普通の風船と思う人もいるでしょうし、

もう割れたらどうしようと怖くなる人もいるかもしれませんよね。

では、その風船が、自分をすっぽりと包むことができるくらい大きくなったら、どのように感じますか?

ほとんどの人が、怖いと感じるでしょうね。

ここで質問です。
目の前に、自分よりも大きい風船があったら、

そして手に針を持っていたとしたら、あなたはどうしたいですか?

割りたくなりますか?
それとも、その場から逃げたくなりますか?
それとも、何もせずじっと風船を見ていますか?

さらに質問です。
割りたくなったり、その場から逃げ出したくなったりしたときに、感じている感情って、

いったいなんでしょう?

これが今回のテーマ「コントロール」です。

風船が膨らんでいくこと自体は、自分ではコントロールできませんし、

いつ割れるかわからない、というのもコントロールできませんよね。
しかし、手に針を盛っていたり、そこから立ち去ることができるのであれば、

「いつ割れるかわからない」

という恐怖から逃れることができるわけです。

この「恐怖から逃れる」ために行動を起こす、もしくは思考を使うことを「コントロール」といいます。

すると、「「良いことがあっても次に悪いことがある」とか、

「きっと悪い結果になる、失敗する。今度もまたダメだ」とか思い込みやすい」というのは、

どのようなコントロールになるのか、説明していきましょう。

人は良いことや楽しいことがあると、幸せですよね。
しかし、その良いことや楽しいことが、いつまで続くのかは誰も知らないわけです。
すると、先ほどの風船で「いつ割れてしまうかわからない」という恐怖と同じように、

「いつこの良い気持ちや楽しい気持ちが終わってしまうかわからない」状態が、

怖くなってしまうわけです。

こんなとき、人はどう行動するかというと、

風船なら「いつ割れてしまうかわからないから、

今割ってしまおう」とか「いつ割れてしまうかわからないから、

今のうちに逃げよう」となるわけです。
例えば

「いつ悪いことがおきて、今の良い感じがなくなるかわからないから、今のうちに悪いことがおきることにしておこう」

とか

「今うまくいっていても、いつ失敗するかわからないから、失敗する準備をしておこう」

という思考パターンになっていくわけですね。

実はこの「コントロール」ですが、致命的な問題があるんですよ。
それは、「コントロールをすればするほど、自分を苦しめていく」ということなんです。

本来コントロールというのは、自分の身を守るためにすることなのですが、ここで言うコントロールは、自分を厚さ100センチのコンクリートの箱の中に閉じ込めてしまう、くらいの防衛策をとってしまうわけです。
結果として、自分の身動きもできなくなるわけです。

それはしんどいですよね。

では、どのようにコントロールしていくのが一番良い方法なのか、それは次にお話しましょう。

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