2020.8.5 心理学講座 怒りとけんかのコミュニケーション②
第2章「怒りの表現」について
第一章でお話したように、怒りには必ずその元となる原因があります。
しかし、ほとんどの方が何が本当の原因で怒っているのかが、実はわからなかったりするんですよね。
その訳は、表現方法にあります。
怒りというのはさまざまな表現方法があり、その表現だけを見ていても、怒っていると気がつかないケースもあるからです。
また、男性的な方と女性的な方では、怒りの表現も異なってきます。
たとえば、女性的な方がよくする怒りの表現は、しゃべる、食べる、泣く、買い物をする、などがあります。
男性的な方では、飲酒、ばくち、風俗などです。
どちらも関係なく行われる表現としては、普通に怒る、引きこもる、情熱的になる、熱中する、モチベーションをあげる、大笑いをする、などがあります。
もちろんこのような行動をしているときに必ずしも怒っているというわけではありませんが、実際の行動の中で怒りを使っているケースが見られます。
そもそも怒りというのはただのエネルギーであると考えてみてください。
たとえば、石油からはたくさんの製品が作られていますよね。
ガソリン、灯油、プラスチック、樹脂、繊維、化粧品、電気、その他いろいろなものが石油製品として製造されています。
怒りもこの石油と同じように、形を変えていろいろなものに変化して表現されることがほとんどなんですよね。
例えば、もともとお祭りというのは五穀豊穣を祈って神様にいろいろなものを奉納する行事ですが、江戸時代のように祭りが幕府によって推奨された時代があるわけです。
それはなぜかというと、祭りに使うエネルギーと、幕府に反抗するエネルギーが同じだからなんです。
農民が祭りにエネルギーを注いでいる分だけ、領主や幕府にたてつこうとは思わないわけです。
発散いなっていたんですね。
逆に幕府にたてついた人たちの中には、発散できずに抑圧された人たちがたくさんいたということでもわかるわけです。
このように、怒りの感情自体は使い方によって自分をよくすることも悪くすることも、人を助けることも傷つけることもできる、諸刃の剣といえるでしょう。
だからこそ、怒りの扱い方に慣れておくことが大切なんですよね。