喪失感から立ち直るには2
さて、前回の続きになりますが、喪失感とうまく付き合っていくには、原則として、三つの「手放し」のどれかが必要です。
もう少しわかりやすく言うと、三つのどれかを行動を阻害しているものを手放す、といったほうが正しいでしょうね。
一つは「失敗しても、後悔しない選択をすること」です。
二つめは「未来を見据えること」です。
三つめは「ありがとう」と心から伝えることです。
言葉にすれば、簡単なのですけどねぇ。
実際にやってみたら、これが結構大変なんですよ。
まるで、ハイヒールで高尾山登山をするようなものです。
では、それぞれについて解説しましょう。
「失敗しても、後悔しない選択をすること」
この選択には、二つの大きな意味があります。
一つは、失敗を悪い事とか、間違えたことととらえないこと。
多くの人は、失敗をしないようにふるまいます。
まあ誰だって失敗したくはないですからね。
失敗したくない理由には、傷つきたくないとか、責任をとりたくないとかあるわけですが、こころの中では、失敗をすることは悪い事である、ととらえている人が多いようです。
本来、失敗というのは、悪い事であるとか、間違いという意味ではなく、ただ「うまくいかなかった」にすぎないんですよね。
しかし、うまくいかなかったことが、間違いだったとか、悪い事だったとか、そういった思い込みによって、失敗をしないように行動する傾向があるわけです。(心理学では観念と言います)
それが行き過ぎてしまうと、失敗を回避することが目的のようになってしまい、失敗をしないための行動が基本になるわけです。
失敗をしないための行動とは?
チャレンジしない、なにもしない
ということですね。
試験を受けなければ、試験に落ちることはありませんし、告白しなければ、失恋することもありませんからね。
これは、失うこと以上に、傷つくことを恐れている心があることを示しています。
もう一つは、後悔があること事体が、メッセージであることです。
後悔がある、ということは「あの時ああしていればよかった」という気持ちがある、と単純にいえるわけです。
言い換えれば、当時の自分では気が付かなかったことが、今の自分は理解できていることを意味しています。
つまり、自分が理解できていることに気づかせてくれるわけです。
また、後悔があるときは、「やり残しがある」のと同じです。
自分にやり残したことがあるのに気づかせてくれるわけですから、ありがたい話ですよ。
ただし、やり残したことが、死んでもやりたくないことかもしれませんけどね。
これらの喪失感から立ち直るには、
失敗を恐れず、チャレンジし続けること
やり残したことにチャレンジすること
になります。
つまり、行動によって喪失感を克服していくことになるわけです。
ほら、言葉にすれば簡単ですが、実際に「できるか!そんなこと」と思う人はいっぱいいますよね。
私だってそう思います。
ですので、この場合、必ず必要なのが「支えになる人」の存在です。
家族や友人、恋人など、自分を支えてくれる人たちに支えらながら、行動を始めると、そのうち自力で行動できるようになるわけです。
これらのことに対して、手放す必要があるものは「恐れ」と「思い込み」、そして「過去への執着」です。
これを手放すことができれば、行動することも可能かもしれませんね。