2021.5.15 違いがあることを理解しよう
雑誌などで「間違い探し」というゲームがありますが、皆さんはご存知でしょうか?
これは2つの同じ絵が描いてあるのですが、その絵の中でいくつか違う場所があって、それを探すゲームです。
似たようなものに、以前脳トレではやった写真が少しずつ変化していくのを見つけるゲームというのがありましたね。
なぜこのような話を最初にするのかというと、これと同じようなことがコミュニケーションでもおきているからなんですよ。
たとえば、友人と山に登ったとします。
山頂からの景色を見て、ひとりは「きれいだね」といったとします。
もうひとりが「汚いなぁ」といったとします。
同じ山頂にいるのに、なぜこのように違いがあるのでしょう。
これは、例え同じ場所にいたとしても、見ているものが違うからですよね。
コミュニケーションでも自分と相手が同じものを見ていて、同じ解釈や理解をした場合、コミュニケーションに問題はまずおきないでしょう。
しかし、お互いが同じものを見ていても、見ている場所が違ったり解釈が違ったりすると、コミュニケーションにはトラブルが生じやすくなります。
皆さんの身近でよくあるのが、方言でしょうね。
「腹が立つ」ことを関西のとある地域では「ごうわく」といいますが、知らない人が「ごうわくなぁ」といわれても理解できないでしょう。
しかし、方言を話している人は、相手が理解できると思って話していますので、ここでは気持ちを共感することはできなくなるわけです。
コミュニケーションがうまくいかない場合、自分が伝えようとしていることと相手の解釈とに、どこか違いが生じているわけです。
極端な表現で言えば、青森弁と鹿児島弁で会話しても、お互い理解できないということですね。
そうすると、自分の考えと相手の考えのどのあたりが違うのか、それを見つけることができれば、コミュニケーションがうまくいかないからといって腹を立てたり自分を責めたりしなくてもよくなるかもしれません。
さながら二枚の絵を比べて「どこが違うだろう」と見比べるのと同じ作業といえるでしょう。
ではなぜ違いが生じるのでしょうか?
それはお互いの価値観に違いがあったり、こだわりに違いがあったり、感情に違いがあったりとさまざまな理由があります。
問題なのは「違う」ことが受け入れられないときにおこります。
本来、人が100人いれば100通りの個性があります。
言い換えるならば、自分と同じ人はいないということですね。
でも人は「価値観が同じ」ことになぜかこだわります。
ここで相手の価値観を自分の価値観に合わせようとするのが「けんか」ですよね。
まずは自分と相手の価値観が「違う」ことを認め合えるかどうかがコミュニケーションの鍵といえるでしょう。
その上でお互いが譲歩できるところは譲歩し、譲れないところは「価値観が違う」ことを相手に理解してもらう努力をすることが必要になります。
「違う」ことを受け入れる。
言葉では簡単ですが、いがいとやってみると難しいものです。
まずは自分と相手の「違い」から探していくことがお勧めです。
そしてその「違い」を譲歩できるかできないか検討した上で、相手に理解してもらう必要があるかどうか考えたうえで、相手に理解してもらうための努力をしてみてもいいかもしれませんね。
「自分がわかっていることは相手もわかっている」前提でコミュニケーションをとらないよう、気をつけてくださいね。