2020.8.28 心理学講座 Putiパートナーシップコミュニケーション

とあるアメリカの心理学者が、こんな学説を発表しています。

「夫婦で離婚するかどうかは、会話で94%わかる」

本当かどうか、皆さんはどう思いますか?

私は94%という数字はともかくとして、あながち嘘ではないと感じています。

なぜなら、私は以前「パートナーシップ・コミュニケーション」というテーマで講座を行い、その中で、やはり会話の大切さ、言葉の持つ重要さをお話して来ました。

言葉を使ったコミュニケーションは、コミュニケーション全体の約3割強といわれていますが、たとえ3割程度であっても、人は「言葉」そのものに意味を持たせ、その「言葉」を重要視しているわけですから、当然会話の内容次第では、離婚する確立は高くなる、という事です。

日本では、昔から「言霊」といって、言葉には魂が宿るという考え方があります。

人の心を動かしたり、感動させたり、傷つけたりと、言葉には人間に大きな影響を与える事ができますので、昔の人は「言葉に魂が宿っている」と表現したのかもしれませんね。

では、実際にはどのような会話が離婚の確立を高めてしまうのでしょうか?

これは夫婦関係に限らず、恋人同士や仕事関係、親子関係にも当てはまる事ですので、皆さんしっかりと聞いてくださいね。

まず、離婚の確率が高い会話の特徴ですが、相手に対する受け答えが「否定的」である事です。

たとえば、これが子育てや部下との会話などでもそうです。

相手の言葉に対して「否定的」な会話で受け答えしてしまったり、周りがどれだけいいことを言ったとしても、本人がその言葉を「否定的」に捉えてしまっては、結果として「受け入れられていない」感覚を相手に持たせてしまいます。

すると、否定的な言葉を言えば言うほど、相手は自分からどんどん離れていってしまうわけです。

これは実際にカウンセリングの中であった事ですが、クライアントと話をしていて、クライアントが否定的な言葉を言う事というのは、よくある話なのですが、それがあまりに行き過ぎてしまうケースがたまにあります。

自分をよりよくするチャンスが目の前に来ているのもかかわらず、自分のことを否定的に言い続け、結果として自分を追い詰めてより自分をつらい状態へと追い込んでしまうわけです。

さて、ここでよく考えてみてください。

一番否定的な言葉を聞いている人って、いったい誰でしょう?

答えは簡単です。言っている本人が、誰よりも一番否定的な言葉を、一番そばで聞いているんですよね。

先ほども言いましたが、言葉というのは「言霊」のようにさまざまな影響力を持っています。

それは自分に対しても同じことで、誰よりも否定的なことを、誰よりも自分が聞く事で、誰よりも自分が一番影響を受けてしまう事になるわけです。

そうすると、その影響力は無意識に変化を与えます。

無意識は「意識していない感情」ですから、自覚していないわけですが、その自覚していない「無意識」が、否定的な言葉を自分にとって正しかったり、自分にふさわしいと思い込んでしまうわけですよね。

そうすると、無意識の行動は「否定的であること」を証明していくわけです。

たとえば「どうせ私は幸せになれない」と否定的に言えば、無意識は「幸せになれない事があなたの目的なのね」と、幸せになれない事を実践していくわけです。

これは個人のなかで起きている状態ですが、これが対人関係だと、相手から見た場合に拒絶されている感覚を相手に与えてしまいます

周りから見れば「自分は幸せになれない」と頑固に言い張っていて人の話をまったく聞き入れないように感じてしまうからです。

ですので、当然関係としてはうまくいかなくなってしまうわけですよね。

もちろん、離婚の確率が低くなる会話の特徴は、相手に対する受け答えが「肯定的」である事です。

これも実際のカウンセリングである事なのですが、すぐに問題が解決したり、幸せが手に入る人は、振り返ってみると、カウンセリングの時間中、自分に対して否定的な言葉をだんだん言わなくなっていくんですよね。

そして、気がついたら自分のことを非常に肯定的な目で見ることができる自分へと変わっていたりします。

そこで、まずチェックしてみてください。

自分が周りの人に対して、どれだけ肯定的な言葉と否定的な言葉を使っているのか。

学説では、肯定的な言葉が、否定的な言葉の5倍以上あれば、その夫婦は離婚の心配はない、とされています。

ただしこれはアメリカの話なので、日本の場合は2倍以上でいいでしょう。

対人関係も同様で、上司や部下に対して、友人に対して、親や子供に対して、どれくらい肯定的な言葉と否定的な言葉を言っているのか、チェックしてみてください。

もし、肯定的な言葉より否定的な言葉のほうが多いと感じたときは、より肯定的な言葉が出るように、意識してみましょう。

時にはどうしても肯定的になれないときもあるかもしれません。

そんなときは、肯定的になれない自分を肯定してみてください。

そして、「今自分は肯定的になることができない」ことを相手に伝えてみてください。

相手に理解力があれば、それだけであなたのことを理解してくれます。

相手に理解力がなければ、その程度の人だということを理解しましょう。

ここまでできれば、間違いなく対人関係の、そしてパートナーシップのコミュニケーションには変化が現れてきますからね。

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