2020.8.10 心理学講座 怒りとけんかのコミュニケーション⑦

第二部「けんかについて」

序 章

さて、まず皆さんに質問ですが、皆さんはけんかの原因はお分かりでしょうか。

よく聞くお話では、彼が嘘をついたとか、自分の思い通りにしてくれなかったとか、話を聞いてくれないとか、いろいろあるわけです。

しかし、その多くのけんかが、実はけっこう「ささいなこと」から始まっていると思いませんか?

例えば、彼や彼女が「すぐにメールを返信してくれなかった」と言って怒る人がいます。

当然連絡が取れたときに「何ですぐに連絡してくれなかったの?」と聞く方は多いでしょう。

この段階ではまだけんかにはなっていないかもしれません。

でも、ここで相手が連絡しなかったことについて「責められている」と感じてしまった場合、どう対処してくるでしょう。

もちろんお二人の関係性や信頼の深さなど、さまざまな要因がそこにはあるのですが、一般的には「責められている」と感じたとき、人は自分を守ろうと無意識で行動します。

自分を守る方法はここでは二つです。

「逃げる」か「相手を追い払うか」ですね。

そして「相手を追い払う」選択をしたときにけんかが成立するわけです。

攻撃は最大の防御なり、ということわざどおりになるわけです。

先ほどの例でいけば、逆ギレしてくるかもしれませんね。

また別のパターンでは「自分の意見の正しさを相手に認めさせようとするとき」にもけんかが起こります。

「自分は正しい、相手が間違っている」

お互いがそう思いながら話し合いを始めれば、お互い相手を否定し続けますので、結果としてけんかになりやすいといえるかもしれませせん。

でも、恋人や夫婦、友人など大切な人とけんかしたい人はいますでしょうか?

多くの人は「けんかしたくない」と思いますよね。

私だって思います。

それなのに、なぜかけんかになってしまったりします。

これはなぜなんでしょう?

ここからは私の個人的な意見なのですが、人がコミュニケーションをとるときに行う行動には、何らかの必要性と意味があると考えています。

誰だってけんかはしたくない。

でも、けんかをすることが今の二人にとって必要なのかもしれませんし、けんかをすること自体に何らかの意味があるかもしれないわけです。

つまり、けんかをすることに、なんらかの「目的」があると私は感じています。

その目的を少しでも理解できれば、けんかの仕方も変わるでしょうし、むしろけんかしなくてもコミュニケーションをとることもできるかもしれません。

それでは、なぜ人はけんかするのか、その目的について、お話しして行きたいと思います。

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