2020.12.17 実は見られている
東京に住んでいた頃のお話で、初めて行ったカフェでのお話です。
雨のせいか、結構混んでおりまして、その中で空いている席を見つけて本を読んでいたんです。
そしたら、いつものごとく周りの声が聞こえてきます。
きれいなお姉さんが二人、隣の席で意味の分からない(笑)話をしています。
ふと見ると、そのお姉さんたちの隣側に、荷物が置いてある席がありました。
同時に、お姉さんの一人が、急に悪態をつきだしたんです。
「あの席、荷物だけで誰もいないんじゃない?」
要約すればこれだけのことなのですが、かなりな怒りがこもっていました。
そのあとの言葉が
「まあみんな自分のことしか考えてないからね」
私の後ろには、学生らしい男性陣が、二人でテーブル二つを占領して、大声で話をしているわけです。
なぜそのお姉さんがそんなことを言ったのか。
理由は、すぐにわかりました。
もうおばあちゃんといっていい年齢の方が、お姉さんたちの隣の席に向かっていったからです。
おばあさんはお姉さんに向かって、しきりにお礼を言っていました。
おばあさんに変わって、席を取ってくれていたんですねぇ。
ああこういうところって、見られているんだよなぁ。
もちろん、一期一会ではあるわけで、この後に度と会わない可能性が高いわけですが、それでも、きれいなお姉さんに悪態をつかれる男性陣二人。
これは非常に損をしている感覚ですよね。
もちろん、周りを気にする必要なんてないわけですが、立ち振る舞い一つで、その人の未来の一部が垣間見えてしまうわけです。
素の自分である時ほど、本質が出やすい。
例えば、好きな人の前であれば、好かれたいとか、嫌われたくないという気持ちが出ますから、いきなり素を出すことって、まあないですよね。
しかし、恋人になったり、結婚したりすると、否が応でもお互い素で向き合わなければいけなくなります。
相手のいいところだけではなく、悪いところや合わないところも、当然見えてくるわけです。
このお姉さんだって、べっぴんさんでやさしい人ではありますが、モラルに非常に厳しい、というのが、これだけのやり取りで見てとれますからね。
見られていることを気にする必要はありません。
それでなにか未来で損をしても、それもまた自己責任ですからね。
その損を取り返すくらい、幸せになってしまえばいいわけですから。
最後に、私がなぜこのお姉さんに興味を持ったのか。
べっぴんさんだったからではありませんよ(笑)
そのお姉さん、カフェにいた間中、一度もスマホをいじらなかったんです。
今時珍しいなぁ、と思ったわけですよ。
しかし、私はカフェに何しに行っているんでしょうねぇ(笑)