2020.11.6 心理学講座 時間と心の関係性
世の中には、時間を守る人、守らない人の2種類があります。
たまに遅刻して時間に遅れる、というのは例外として、おおざっぱにわけてしまうとこうなるわけです。
では、いつも時間を守る人と、いつも時間に遅れる人と、その違いはどこにあるのでしょう?
時間に遅れる人というのは、まるで自由人のように見えるときもありますが、実は、心理的には「罪悪感」が大きく関係しています。
時間に遅れると、周りの人に迷惑をかけます。
迷惑をかけると、通常であれば「申し訳ない」と思うわけです。
この「申し訳ない」が罪悪感ですよね。
で、いつも遅れる人は、この罪悪感を当たり前のように感じているわけです。
当たり前だから、改善しようとは思わないし、遅刻したら
「やっぱり私は迷惑をかける人なんだ」というのを、自分自身が感じるわけです。
そして、「自分自身は遅れている」という認識を、自分自身に持つようになります。
こういうタイプの人は、「ごめんなさい」「申し訳ない」が口癖だったりします。
私のクライアントさんでも、ほぼ100%遅刻してくるクライアントさんが何人かいます。
で、このクライアントさんたちに共通なのは、皆罪悪感が強くて、罪悪感に振り回されている人たちなんですよね。
一方、時間を守る人、その中でも、時間よりかなり早く来る人は、「遅れてなるものか」という心理を持っています。
それは裏を返すと、遅れる事に関して恐れを持っているということと、遅れる事で罪悪感を感じたくない、というのがあります。
遅れる事で、相手を待たせてしまう、つまり、迷惑をかけてしまうと感じていますから、「迷惑をかける」こと自体が、最大の禁止事項になっていくわけです。
遅刻する人は罪悪感を当たり前に感じていて、時間より早い人は、罪悪感を恐れている。
遅刻する人は自己価値をわざと下げるために、時間より早く来る人は、自己価値を下げないために行動している、といってもいいかもしれませんね。
例外として、遅刻しても全く申し訳ないと思っていない人もいたりします。
こういう人は「遅刻して人に迷惑をかける」という意識がないか、遅刻する以上に大切な事があるか、なわけです。
中には「遅刻しても赦してもらえる」と思っている人もいます。
時間通りにぴったり来る人は、自己管理ができているようにも見えますし、そのとおりですが、一方でコントロールするのが上手でもあります。
しかし、コントロールできないと、がたがたになる可能性もあるわけです。
社会人としては、遅刻しないというのがマナーでもありますが、遅刻する事が悪い、というわけではないんですよ。
大切な事は、時間に対して、自分がどのような心理状態をリンクさせているか、にもよるわけです。
ワークショップなどを開催すると、いつも参加してくれる人もいるわけですが、ワークショップのテーマによっては、遅刻したり、体調を崩して休んだりする事がよくあるんですよね。
私もそうでした(笑)
これは本当はどうかはわかりませんが、自分にとって大きな変化が起きるワークショップやタイミングだったりすると、無意識が怖くなって、無意識が遅刻するように行動してしまう。
なんてことをよく言っていました。
で、実際そんなときに限って、自分にとって大きな気付きを得たり、変化を促されたりもします。
人間の身体は、脳が命令を出さない限り動きませんからね。
出かけようとして駅に向かう途中で、「あ、スマホ忘れた」と気がついて、取りに戻る。
こんなとき、私は「ああ、行きたくないんだなぁ」と感じたりするわけですよ。
私のワークショップでは、電車に乗り間違える、という話を一番よく聞きますね。
品川で開催しているのに、羽田空港に行ってしまったり、逆方向の電車に乗ってしまったりとかね。
ワークショップなどは、参加を決めたときから、すでにワークショップは始まっているのかもしれません。
こころは、すでに反応を始めていますからね。
遅刻するのも、心理パターンの一つです。
そこから、自分の心理を読み解いていく事も、腕のいいカウンセラーならできますからね。
時間を「罪悪感の道具」に使わないようにすること。
そう意識するだけで、遅刻は無くならなくても、減るかもしれませんね。