2020.10.1 心理学講座 欲求の心理学~価値観の違いについて~

皆さんに質問です。

下の一覧の中で、「これがあると幸せになれる」と思うものを、1番から10番まで並べてください。

恋愛(パートナー)
お金
充実した仕事
暖かい家族
地位、名誉、権威


特殊な能力
学歴、資格

みなさんは、どのような順位になりましたでしょうか?
恋愛が上位に来ますか?
お金が上位に来ますか?
地位や名誉が上位に来ますか?

人それぞれ、自分が幸せになるためにこれは絶対必要だ、と思っているものがあると思います。
それ自体にはなにも問題はないわけです。

ところが!

それがないと幸せになれない、わけではありません。
それに、パートナーが自分と同じ順位をつけているとは限りませんよね。
これが「価値観の違い」ということです。

仕事が忙しい人にとって、自分が幸せだと感じる優先順位は、自然と仕事が上位になることがあるでしょう。
逆に、そのような人を好きになる人は、だいたいが仕事より恋愛の方が優先順位が高いと思います。

特に仕事が上位に来る人とおつきあいを考える場合、まず自分と価値観が違うこと、そして「幸せ」になる優先順位が違うことを認識することが大切でしょう。

そして、そもそもなぜそれだけ仕事に対してがんばってしまう、絶えず自分を忙しくしてしまうのか、というのが問題点といえるでしょう。

一方、そのような忙しい人をパートナーに持った場合などは、多くの場合、仕事よりも恋愛のほうが優先順位が高くなる傾向があるといえるでしょう。

これは、「愛を実感する」方法がまったく違うことを意味しています。

人はみな「欲求」を持っています。
欲求というのは、わかりやすくいえば「~してほしい」「~したい」というものがありますが、そのほかにも「~してあげているのに」というものも欲求のひとつの形なんですよね。

その中で、「愛されていることを実感することができる欲求」というのは、大きく分けて6つに分類されます。

「愛してほしい」
「かまってほしい」
「認めてほしい」
「わかってほしい」
「助けてほしい」
「赦してほしい」

このうち、日常生活でパートナーに対して求めてしまう欲求が、「愛してほしい」「かまってほしい」「認めてほしい」「わかってほしい」の4つになります。

一般的に、女性的な傾向がある方は「かまってほしい」という欲求が強く現れているのに対して、男性的な傾向がある方は「認めてほしい」という傾向が強く現れています。

たとえば、仕事が恋愛以上に大切だと感じる人は、仕事をすることで得られる「充実感」や「達成感」「責任感」などもありますが、それ以上に「誰かに認められる」という欲求を手に入れることができるわけです。

一方、恋愛が仕事以上に大切だと難じる人は、かまってもらったり、スキンシップがあることで「安心感」「親密感」「つながり」を感じることができるわけです。

さて、本当であればこのような組み合わせでパートナーシップを組まないことを本当はお勧めするのですが、まあ好きになってしまったらそうもいっていられませんので、とにかく忙しいパートナーを持った場合、まず何をする必要があるのかをお話しましょう。

ここで大切なのは、自分と相手と、そもそも「ほしいもの」が違うことを最初に認識しておくことですね。
その上で、自分の「欲求」が何なのかを理解しておくことでしょう。

これは多くの人が勘違いされていることですが、「欲求」は人に満たしてもらっても、あまり満たされないということです。
「欲求」は、自分自身で満たすことによって、ほとんどが満たされるんですよね。

たとえば、みんなから愛されたいと思っている人が、「私なんてだめな人間だ」といったとします。

すると、その人を愛している人は「そんなことはないよ」とほとんどの人が言うでしょう。

そこで、もっと言ってほしいという欲求が出てきた場合、「でも私って・・・」と、だめな自分をどんどん出していくわけです。

それに対して、周りの人は「そんなことはない」を言い続けるわけですが、結果としてどこまでやっても「自分の言葉が受け入れられた」感覚にはならないので、結果として疲れてしまうわけです。

では、「私なんて」といっている人の欲求は満たされているのでしょうか?

実は、言われている瞬間だけ満たされていますが、それは一瞬のことであって、結果としては満たされない自分にすぐ戻ってしまうわけです。

大切なのは「自分自身が自分の欲求を満たさない限り、人の行為を受け取ることができない」ということです。

もし自分と求めている欲求が違う人を好きになったときは、この「欲求」がさまざまな問題を作り出すことをしっかり覚えておいていただきたいわけです。

相手に対する不安や不満、怒り、共依存、勘違い、思い込み、すれ違いなど、パートナーシップのありとあらゆる問題に、この「欲求」は顔を出しますので、気をつけてくださいね。

ここまで理解できたら、次は本格的に自分の「欲求」を満たす作業に入るわけですが、この話をするとまたとてつもなく長くなりますので、それは次の機会がありましたら、お話したいと思います。

まず、相手と自分の価値観が「違う」ということ
そして、自分の中の欲求に気がつくこと。

この二つを覚えておいてくださいね。

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