癒しと眠気
カウンセリングやワークショップを受講した後などに、すごく眠たくなる、というお話をよく聞きます。
もちろん、すべてのカウンセリングやワークショップで、受講生が眠くなるわけではありません。
ただ、内容によっては、ものすごく睡魔に襲われ、眠っても眠っても、しばらく眠たさが続くことがあります。
というわけで、今回は「眠くなる心理」について、お話したいと思います。
通常、眠くあるときというのは、疲れていたり、寝不足であったり、睡眠障害であったりと、眠くなる理由がちゃんとあるわけです。
このあたりは睡眠外来など、医学的なお話になりますので、それはそちらに任せておくとしましょう。
ところが、カウンセリングをした後であったり、ワークショップを受講した後などに、極端に眠気が襲ってくることも、よくあります。
エナジーバンパイアにエネルギーを持っていかれた後も、回復のために眠くなる、なんてこともあります。
心理学的に、眠くなってくるというのは、大きく2つの理由があります。
ひとつは、心の整理が始まったとき。
もうひとつは、抵抗です。
カウンセリングやワークショップで、気づきや癒しが起こると、こころは変化を始めます。
ヒーリングなどで、直接心に作用した場合も同じですね。
こころを扱ったりすると、気付きがあり、癒しが起こるわけです。
癒しが起こると、こころは自動的に整理を始めます。
でも、こころが整理できるのは、無意識状態にあるときだけなんですよね。
例えば、車や自転車を運転しているときだったり、電車に乗ってるときだったり、ぼ〜っとしているときだったり。
一番無意識なのが眠っているときですから、こころは中を整理したくて、身体を眠らせようとするわけです。
これをイメージで例えますと。
こころの中にでっかい倉庫があり、今まで経験してきたいろんなものが、ごっちゃに詰まっているわけです。
それを、小指の先くらいの、小さい自分が3万人くらいいて、身体が眠ると
「それ、片付け開始〜♡」
と、一斉に倉庫の整理を始めるわけです。
で、身体が起き始めると、
「あっ、もうすぐ起きる! みんな、戻れ〜」
といって、一斉に戻っていくわけです(笑)
こころの癒しの流れは
1気付き
2癒し
3無意識の整理
という感じになっているわけです。
気付きや癒しが大きいほど、無意識の整理も大規模になりますから、眠気は長引きます。
平均一週間、長いときだと、1ヶ月くらい眠くなったりするわけです。
こんな感じです。
一方、抵抗による眠気は、たとえば見たくない、聴きたくない、知りたくないことなどがあると、強烈に眠気に襲われたりします。
実際にあった話で、恋愛に抵抗のある女性が、ワークショップに参加したのですが、いつも恋愛の話になると、ぐっすりと寝ているんです。
そのとき意外はずっと起きているんですけどね。
また、父親との問題を抱えている男性がいて、やっぱり父親の話になると、寝てしまいます。
眠ってしまうことが悪いわけではありませんよ。
それくらい、自分の中に抵抗があることに、気がついたほうがいいわけです。
こころというのは、まず第一に「自分を守る」行動を優先させます。
それがどんなに自分にとっていいことであっても、変化そのものに対して、「自分を守る」行動を反射的にしてしまうわけです。
心理学では、これを防衛機能と呼ぶわけですね。
カウンセリングでは、この防衛機能をいったん取り除いて、問題を見つけ出し、本人に自覚してもらい、本人の意志、意欲で、こころを変化させていくわけです。
カウンセリングの8割は、この「防衛機能」を取り除く作業といっても、いいかもしれませんね。