権威の使い方
河合隼雄先生の本に、権威についてのお話があります。
権威とは大きく2種類あって、外的権威と内的権威です。
外的権威とは、一般的に皆さんが権威という言葉で使っているそのままのことです。
誰かに対して権威的とか、人に対して権威的に振る舞うとか、対人に対して与える影響力を外的権威と言います。
では、内的権威とは、どういうものなのでしょう。
それは、自分自身に対する自己価値や自己承認、自愛、自己信頼、自己抑制など、自分に対して振る舞うもので、自分自身に対して与える影響力です。
で、外的権威が強くなると、内的権威が弱くなる。
この二つは、反比例の関係性にあるそうです。
外に対して権威的になれば、外的権威が高くなるわけですが、その分自分の内的権威は下がっていく。
また自分の内的権威が高くなれば、周りにいる人たちに対しては、権威的でなくなっていくわけです。
もしかしたら、権威的に振る舞っていない人の方が内的権威が高くて、権威的に振る舞っている人の方が内的権威が低い、ということになるのかもしれませんね。
以前心理学講座で、良い権威と悪い権威の話をしたことがありますが、悪い権威はこの外的権威がかなり高めになっている状態のことを表しているのかもしれません。
では、内的権威が高いとどうなるのかというと、外的には権威を感じないわけですから、なめられてしまうんですよね。
では、良い権威というのはどのような状態をいうのか。
おそらく、外的権威と内的権威のバランスが絶妙にとれている状態なのでしょうね。
では、この二つの権威のバランスを絶妙の状態にするにはどうしたらいいのか。
それは、相手の立場に立って真摯に向き合うことであったり、相手のことを思って接することであることかもしれません。
権威の使い方を誤ると、周りの人を不幸にします。
だからと言って、権威を使わないのもまた周りの人に負担をかけてしまいます。
自分にとって、周りの人たちにとって、一番いい権威を使えるようになれるように、自分と向き合っていくことが必要なのでしょうね。