心理学講座「死にたい」と思う心理
「死にたい」と思うとき
人には、そんな「間」がさす瞬間があります。
私も過去、自殺未遂をしたことがあります。
人はなぜ、死にたいと思うのか。
理由は色々ですが、その根底にあるものは、大体3つのどれかだと感じます。
一つは、絶望
一つは、復讐
そして、もう一つは、恐れや贖罪などの感覚です。
ほとんどの場合死にたいと思うときは、絶望があります。
それは、未来に夢や希望が持てなくなり、もう何をどうしたって、現状を変えることはできない。
自分の未来に絶望してしまうんですよね。
そして、未来を変えるためには、絶望から逃れるためには、生まれ変わってやり直すくらいしかない(=もう死ぬしかない)となります。
ここまで行くと、「死」の選択が目の前にまで来てしまいますが、実際には、「死にたい」と思っているときは、この「絶望や不安の池のほとり」に立っているようなものかもしれません。
私は自分自身が経験したことですので、ある程度理解できますが、死にたいと感じる前に、自分もしくは自分以外のすべてに対しての全否定があります。
この状態になると、視野がものすごく狭くなり、本当はいろんなもの(問題などに対する打開策)などもあるのですが、実際には顕微鏡で見ているような状態なので、当の本人にはわからなくなるわけです。
ただ、本人はこのことに気づいておらず、自分の視野に入る範囲で何とか打開策を考えます。
そして、自分の視野内に「出口がない」と感じて、絶望してしまうわけです。
例えば、失恋をして「死にたい」と思う人はいますし、実際に死を選ぶ人もいるでしょう。
これは、相手との幸せな未来がなくなった、という絶望からくるわけです。
ここで、「その人以外との幸せな未来」という選択肢があるにもかかわらず、「その人との未来」だけに焦点があっていますので、他は見えないし耳を貸さないわけです。
もちろん、自分の視野が狭くなっていることに気がついても、自分自身が自分を否定している状態では、自分を助けようとは思いません。
これは「自分に対する復讐」の側面もありますし、「こんな自分を愛してくれるみんなに申し訳がない」という贖罪の意識も出てきます。
中には、「自分の周り全てが自分を否定した」と感じて死にたいと思う人もいるでしょう。
この場合、実は本人が思っているよりもちょっと複雑で、実際にひも解いてみると、かなり意外な答えに行きつくこともあります。
「死にたい」と思ったとき
それは、何かを変えたいと願い、その何かを変えることができないという絶望が生み出している感情なのかもしれません。
まずは「何を変えたい」と願っているのか
そして「なぜ変えることができない」と思っているのか
この二つを理解することができれば、「死にたい」と思う気持ちの本当の答えが見えてくるかもしれません。
もし「死にたい」と感じたときは、この二つについて、一度書き出してみてください。
その答えを見つけて、それでも疑問が残れば、疑問を解消してみてください。
「死にたい」と思ったときは、自分が見える範囲の外に答えがあるかもしれませんからね。