喪失感から立ち直るには4
三つめは「ありがとう」と心から伝えることです。
喪失感が大きければ大きいほど、辛い想いや悲しみが大きいほど、それだけ相手を大切に思っていたり、愛していた証拠でもあります。
つまり、喪失感の大きさは、それだけ自分の中に「愛」がある事を教えてくれるわけです。
長い人生の中で、それほど人を愛する事って、どれくらいできるのでしょう?
そして、喪失感で自分自身がつぶれてしまうくらい、誰かを愛する事ができた自分は、素敵な事だと私は感じます。
自分の中に、大きな大きな「愛」がある。
そのことを喪失感が教えてくれるわけです。
別れとは、一番喪失感を感じる事柄かもしれません。
しかし、その別れこそが、いろんな事に気付かせてくれて、いろんな心の成長を促してくれるわけです。
別れは辛いし、寂しいものです。
その後の喪失感も、かなりなものです。
でも、それだけ誰かを、何かを愛せた自分を、そしてたくさんの愛を内包している自分を、そして、素敵な時間や思い出をくれた人やものたちに
ありがとう
という言葉を心から送る事ができたら、喪失感は悲しみではなく、愛で包まれていく事ができます。
ここで手放すべきは「執着」ですね。
人やものに執着しているとき、愛を感じる事はできませんし、「ありがとう」の言葉を心から言う事もできません。
なぜなら、喪失感の中に「自己否定」があるからです。
失う事によって、自分の愛の価値そのものが無くなってしまう。
もちろん、実際に価値が無くなるわけではなくて、自分自身が自分に価値を見いだせなくなるわけです。
この状態では、感謝の言葉は出ません。
感謝の言葉が言えるようになるまでは、ひたすら自分の価値を再認識する作業が始まります。
それは、執着する事をやめる、つまり「手放す」事が必要になってくるわけです。
以上、3つの事についてお話ししましたが、全てに共通する事は、
喪失感から立ち直るためには、時間と人の助けが必要になる、ということです。
もちろん、喪失感の大きさにもよりますが、それなりに時間をかけて、じっくりと、そしてしっかりと喪失感から立ち直っていく事が必要です。
焦りは禁物ですね。
そして、自分一人でなんとかしようとしない事ですね。
必ずといっていいほど、誰かの力を借りないと、喪失感から立ち直る事は相当辛く、しんどくなります。
しかし、喪失感を感じているときは、周りから差し伸べられている手に気付く事はできません。
顔を伏せていては、差し伸べられた手に気付く事はできませんからね。
喪失感があるという事は、それだけ人を愛したという証拠です。
同時に、同じだけ誰かから愛されている証拠でもあります。
その愛に気がついたとき、喪失感から立ち直るきっかけをつかむ事ができるわけです。
一つの感情を一生感じ続ける事はできない。
必ず、どんな感情でも終わりがあります。
立ち直る事ができる自分を信じて、ほんの少しだけ、顔を上げてみてくださいね。
そこにたくさんの差し伸べられた手が見えたとき、あなたの未来は、今まで以上の素敵な未来になる事でしょう。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。