ミスや失敗を繰り返してしまうのはなぜ? (その2)
前回の続きになります。
ミスを減らすための対応についてですが、前回の5つの分類
① 何かを学ぶため(学習)
② 学びを忘れないため(戒め)
③ 自己価値を低くする(自己嫌悪)
④ 自分でも気づていない自分の癖
⑤ 別の要因であったり(例えば、事故が起きやすい交差点とか)
ごとに説明したほうがいいのか、事例ごとに説明したほうがいいのか、正直迷うところなんですよねぇ。
実際には、ミスは一つの要因で起きるとは限らないわけです。
例えば、上記の④と①の組み合わせ(自分に癖があることに気づくため)でミスが起きたりとかね。
まあシンプルにわかりやすく、ということで、とりあえず分類ごとに行きます。
① の場合、学べば終わりです。
ただし、ちゃんと学んだかどうか、お試しがあります。
授業を受けたらテストがある、みたいなものですよね。
で、テストに受からないと繰り返しますから、しっかりと学んでください。
多くの場合は、認知行動療法などで自分自身の持つ行動パターンを変えることや、論理療法などで、思考パターンを変えることでミスを減らすことができます。
② の場合、いい悪いは別にして、非常に自分に厳しいといえるでしょう。
それだけその人にとって、ミスから学んだことが大切で、また責任が重いともいえます。
徳川家康のしかみ像のようなものでしょうか。
本来であれば、周りに支えてもらったほうがいいタイプでもありますね。
周りの支えによって、ミスを軽減することができます。
③ の場合、目的がはっきりしているわけです。
自分が嫌いになる、人から嫌われることが目的ですからね。
自分を好きになることがベストでもありますが、まあ自分が嫌いな人は自分を好きになるのは難しいでしょうから、せめて「そこまで嫌わなくてもいいんじゃないか?」と自分に問いかけてみる必要はあるでしょうね。
そして、どれだけミスをしても、自分を嫌わない人がいる、というところに目を向けていくことでしょう。
④ の場合、自分の癖を見つける以外に方法はないです。
一番簡単なのが、人に見つけてもらうことです。
このタイプの人は、人の話を聞かない人が多いかもしれませんが、ちゃんと人の話に耳を傾けることでしょうね。
特に頑固さんにならないようにね。
⑤ の場合、起きている問題とは全く別のところに、原因があったりします。
風が吹けば桶屋が儲かる、みたいなね。
このことわざ、風が吹いて寒くなって、お風呂屋さんに行くから桶屋が儲かる、という意味ではないんですよ。
江戸時代のお話ですので、今の生活で考えると「なんで?」と思うこともあるでしょうが、江戸時代の人たちはこう考えていたわけですよ。
風が吹くと、ほこりが目に入って、失明する人が増える
失明すると、職業が三味線弾きくらいしかないので、三味線をたくさん作るために猫がたくさん捕獲される(三味線は猫の皮で作ります)。
猫が捕獲されると、ネズミが増える。
ネズミが増えて、桶をかじり穴をあける。
桶の修理依頼がたくさん来る。もしくは売れる。
余談ですが、実はこの話、それぞれの原因が「本当の原因」である確率を求めるのが「ベイズ理論(ベイズ確率)」というのだそうですが、まあそんな難しい話はやめておきましょうね。
このように、原因と結果の間には、いろいろなことが起きている、ということなんです。
ですので、ミスや失敗の原因を短絡的に考えるのではなく、深く掘り下げていく必要があります。
ここはカウンセラーの出番でしょうね(^^♪
閑話休題ですが、世の中にはミスを認めない人、ミスを許さない人というのがいます。
このような人は、基本的に怖がりさんです。
ミスを認めない、許さないという人は、自分がミスをしたときに赦されない、と思っている人が多いんですね。
認めてしまうと、自分が与えた罰以上の罰を受けるかもしれない、と思ったら、ミスを認められるでしょうか?
これは「自己防衛」でもあり「回避行動」でもあります。
私の心理学講座「残念さんの取扱説明書」に書いてありますので、ぜひ読んでくださいませ。
終わりに
ミスをするうえで、一番気を付けなければいけないことは、
ミスを完全に失くすことはできない
ということです。
この世にミスをしない人はいません。
ミスは、その人の学びと成長には必要ですからね。
ですので、ミスを許容できる心を持つことが、何より大切なんです。
みなさんだって、ミスをしないようにとか、失敗してはいけない、と考えると、すごく緊張しますよね。
その状態では、簡単なことでもうまくいかなくなるわけです。
昔、アメリカでバスケットボールのゴールに、練習なしで一発でフリースローをして決まれば10万ドルプレゼント、というテレビがありました。(うろ覚えなので、ちょっと間違いがあるかもしれません)
大勢が見守る中、フリースローを放つ。
皆さんはどんな気分になるでしょうね。
成功すれば10万ドル(今のお金でおよそ1000万円)が、フリースロー一発で手に入るわけです。
全米が自分に注目しているわけですよ、しかも。
あ~こわ(笑)
ミスを恐れれば恐れるほど、失敗の確率が高くなると思いませんか?
ミスは恐がれば怖がるほど、ミスを呼び込みます。
これは失敗も同じ。
大切なのは、ミスから学ぶべきことをきちんと学び、次に生かすことです。
たとえ繰り返すことがあっても、そこには前回とは違う新しい学びがあるときもあります。
ミスをするのは、自分が成長できる伸びしろがある証拠です。
ミスや失敗を恐れず、素晴らしい人生を切り開いていってください。
お付き合いいただき、ありがとうございました。