こころに種をまく
工藤直子さんの『花』という詩があります。
わたしは
わたしの人生から
出ていくことはできない
ならばここに
花を植えよう
新聞に掲載されたこの詩と記事を読んで、私はなぜか涙が出てきました。
自分の人生は自分のものです。
誰のものでもありません。
その人生が砂漠の人生でも、荒れ野原であっても、自分の人生は自分だけのものなんですよね。
でも、その人生をどう変えていくのか。
どんな世界にしていくのか。
その選択肢をみんなが持っています。
たとえ人生が荒れ野原であっても、岩がごろごろした場所でも、自分自身の選択で変えることが可能なんですよね。
それは文章にあるように、一輪の花を植えることかもしれない。
荒れ野原に種をまくことかもしれない。
土地を開拓し、緑を植えることかもしれない。
でも、その努力は必ず報われる。
私はそう信じています。
私はよく、クライアントさんにこう言っていました。
「私のカウンセリングは、種をまいているようなものです。
その種は、いつ芽を出すかわからない。
どんな花を咲かせるかわからない。
明日かもしれないし、3か月後かもしれない。
1年後かもしれない。
もしかしたら、芽を出さないかもしれない。
それでも、私は心に種をまきます。
だから、今は私の言っていることがわからなくてもかまわない。
いつか、芽が出たときに、そのことに気づいてくれればそれでいい」
そうしたら、数年ぶりにクライアントさんとお話しする機会があった時、こういわれました。
「あの時中原さんに言われたこと、最初は全く意味が分からなかったんですけど、今になって「ああ、このことを言っていたんだ」ってわかったんです。」
まさにまいた種が芽吹いた瞬間でした。
うれしかったですね。
今、私がまいた種はあちこちで芽吹いて、花を咲かせています。
「笑顔」という素敵な花をね。
そして、今も種をまき続けています。
あとは皆さんの荒れてしまった心が、花と緑で包まれる世界になるように、祈り続けます。
私がまいた種は一つではありませんからね。
いっぱい、いっぱい、咲きますよ。