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怒りとけんかのコミュニケーション⑪

第10章「けんかのプロセス」について

 

3段階 表面化(顕在化)

 

怒りの貯金箱がいっぱいになったとき、人は初めて怒りを感情として認識します。

 

今までは我慢できたことが我慢できなくなったり、ちょっとしたことや些細なことでも、急に腹が立ったり文句を言いたくなったりし始めるわけです。

 

パートナー同士のけんかの場合、ほとんどの方のけんかの原因は、この表面化(顕在化)したときの怒りだと思います。

 

しかし、実際にけんかが始まってみれば、意外と過去のことを責め始めたり、「あのとき君はこうだった」とか「こうしてくれなかった」とか、貯金箱の中にある怒りのコインの内容を相手にぶつけていくんですよね。

 

じつは第3段階 表面化(顕在化)というのは、「けんかのきっかけ」を意味していて、けんかの原因ではないんですよね。

 

本当のけんかの原因は、心の貯金箱に貯金されている、パートナーに関するコインのどれか、なんですよ。

 

けんかとは、原因の段階で勃発するわけではなく、きっかけから表面化し、このあと第4段階、第5段階に進むうちに本来の原因に気付いたり、理解したりしていくわけです。

 

ここで怒りの「きっかけ」を「原因」と勘違いしてしまってけんかを続けてしまった場合、大変なことになっていきます。

 

ヨミウリオンラインのコラムに、心療内科医師の海原純子先生がこのような意味のお話をしていました。

「怒りは原因が何かを見つけ、その原因に対処しなければ根本的な解消法にはならない」

 

多くの方は表面化(顕在化)された怒りについて対処をしようとしますが、当然そのやり方では貯金箱の中の本当の原因となる怒りのコインは残されたままですから、また同じ問題が出てくる可能性は高いわけです。

 

 

4段階 正しさの証明

 

第3段階で、怒りが表面に出てくると、当然のごとく相手との言い合いになります。

 

ほとんどの場合、この目的は「相手に自分の気持ちをわからせてあげる」ことになるわけですが、いつの間にか「自分の意見は正しい」ことを相手に伝える事にすり替わっています。

そうすると、相手も「私が正しい」という主張をしてきますから、当然ぶつかり合うわけです。

 

言葉に変換すると、このようになります。

「私は正しい、あなたが間違っているのよ。」

「何を言う! 俺が正しくてお前が間違っているんだ。」

 

実際には言葉で正しいかどうか言っているわけではありませんが、多くの場合言っている方より言われている方が「間違っている」と言われているような気分になります。

 

そうすると、けんかを吹っかけた方にそのつもりがなくても、吹っかけられた方は「責められている」「間違いだと指摘されている」気分になりますから、心は自動的に「防衛」を始めるわけです。

 

このときの防衛の手段は二つです。

相手と同じやり方で相手に立ち向かうか、逃げるかですね。

 

同じやり方を選び、「正しさの証明」が始まると、自分の正しさを相手に認めさせることが目的になり、けんかの本当の目的を見失ってしまいがちになります。

そうすると、相手を言葉や時には暴力でねじ伏せてしまうか、結果「もういい!」と話を中断してしまったりします。

もしくは、一方が逃げて終わり、ということもあるでしょうね。

 

一般的にはここでけんかが終わっているように感じるかもしれませんが、実際には完了していないんですよ。

 

この「正しさの証明」でけんかを終わらせてしまった場合、実は第2段階まで逆戻りします。

すごろくで「2マス戻る」と同じですね。

 

そして、また打4段階まできて「正しさの証明」をして、第2段階まで戻ってしまう。

これを延々と繰り返していくわけです。

 

「しょっちゅう彼とけんかするんです。」

カウンセリングなどでよく聞く話ですが、実際には一回のけんかをずっと繰り返しているだけなのかもしれませんね。

 

では、このけんかを終わらせるにはどうしたらいいのか。

 

そのヒントが第5段階に隠されています。

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